ビリー・アイリッシュがコールドプレイと共演!エド・シーラン、メタリカ、マネスキンにポール・サイモンもサプライズで登場したGlobal Citizen。映像がまだ観られる。

pic by Getty Images for Global Citizen

9月25日にチャリティ・イベントGlobal Citizenが開催された。毎年NYセントラルパークから中継されるのだが、今年は10周年を記念して世界6大陸から70以上のアーティストが出演し、24時間配信された。

私は、6万人の観客が集まったNYのセントラル・パークで観てきた。なんと、コールドプレイビリー・アイリッシュが共演で、”Fix You”を披露したり、本来先月のNY再始動を記念したコンサート”We Love NYC- The Homecoming Concert”でトリを務める予定だったポール・サイモンがサプライズで登場。6時間も続いたイベントの最後を”The Sound of Silence”で締めくくる感動的なイベントとなった。

先月のイベントは、NY史上初のゲリラ雷雨で中止となったのだ。パリからは、エド・シーランから、話題のマネスキンが登場。メタリカも、ケンタッキー州ルイビルから出演した。

以下いくつかのハイライトと映像。映像はいつもは徐々に消えてしまうのだけど、今回は24時間もあったので徐々に増えている。ただしアーティストによっては個別の映像がなかったり、24時間の映像はさすがに消えている。
あるうちに観た方がいいと思う。

各都市の出演者は以下の通り。

ここにいくとかなりのアーティストの映像がまだ観られる。
https://www.youtube.com/GLOBALCITIZEN/videos

1)ビリー・アイリッシュとコールドプレイの共演で”Fix You”。クリス・マーチンが「夢が叶った」と言っているけど、ビリーの声の美しさは鳥肌もの。

2)ビリー・アイリッシュ
2)ビリー・アイリッシュ
彼女が現在行っているフェスのライブが凝縮された良いセットリストだった。現時点ではまだ映像が1曲分しかポストされていない。全曲ポストされることを祈りつつ、ポストされたからここで紹介しますので(祈)。

“Happier Than Ever”
https://www.instagram.com/tv/CUYKKzirXtF/?utm_medium=copy_link
でも一番良い曲!


ビリーは、この日もそうだったけど、現在のツアー中に”all the girls go to hell”を演奏する前に地球温暖化について語る。「地球温暖化があると思ってない人は、ファッキングアホだ」とも言っていた。また、この曲をパフォーマンスする時に「背景に流す映像を見るといつも涙が出てしまう」とも。

pic by Sachyn Mital
pic by Sachyn Mital
pic by Getty Images for Global Citizen

この日は、こんなメッセージを送っていた。

「みんな今日ここに集まって地球について考えてくれてありがとう。だってこれは本当に起きていることだから。冗談ではなくて。私は普段ほとんどの時は、人があまりに地球について関心を持っていないのを見て、完璧に希望を失っている。私たちが住んでいる場所なのにも関わらず。私には本当に意味が分からない。

だけど来週、アメリカ議会が、アメリカの歴史でも地球温暖化に関わる最強の法律を通過するために投票をすることになっている。それによって世界中のリーダーや方針を作る人たちへメッセージを送れると思う。またそれがアメリカの二酸化炭素削減への道につながってくれると思う。

また、バイデン大統領には、発展途上国への年間1000億ドルの地球温暖化基金を集める支援を約束してもらう。だからみんなもGlobalcitizen.orgのサイトをチェックして自分の声を届けて欲しい。それで、みんなでファッキング地球を助けるためにもっと頑張ってみようよ。できることをやろうよ。ここに今日集まり、支援してくれてありがとう」


さらに”Your Power”の前には、「これは自分たちが作った一番好きな曲だと思う。解釈は色々とあると思うけど、でも私たちには力がある。だけど、その力を人を傷つけるために使わないで」と訴えていた。

この日のセットリスト
bad guy
my future
Oxytocin
Your Power
all the good girls go to hell
Happier Than Ever

3)フージーズの15年ぶりの再結成ライブのほぼ全編映像。
前回紹介したように、
https://rockinon.com/blog/nakamura/200199

NYではいきなりフージーズの再結成ライブがあった。そのほぼ全編が配信された。
ワイクリフ・ジョンが、「バイデン大統領、これを見ていたら、今テキサス州の国境にいるハイチ人に入国許可証を出してあげて欲しい。ハイチの人たちはあんな風に暮らすべきじゃない」と訴えていた。

”Killing Me Softly with His Song”

“Ready or Not”

ほぼ全編の映像は、このビデオの7分30秒あたりから始まる。
https://youtu.be/kQhCBtRvs2c

4)BTS。NYからの中継ではなかったけど、この24時間イベントの幕開けする重要な役割を担っていた。
“Permission to Dance”

“Butter"

5)メタリカ。ケンタッキー州ルイビルから中継。
“For Whom the Bell Tolls"

“No Leaf Clover"

6)マネスキンはパリから中継。
“Beggin”

ビリー・アイリッシュの”Bury a Friend”もカバー

7)エド・シーランもパリから出演
“Shivers"

“Bad Habits"

pic by Getty Images for Global Citizen
pic by Getty Images for Global Citizen
pic by Getty Images for Global Citizen
pic by Getty Images for Global Citizen

8)パリからはその他エルトン・ジョンなども出演。その全編が今ならまだ観られる。またロンドンのストームジー、デュランデュランカイリー・ミノーグの映像も観られる。NYも6時間中の最初の2時間は観られる。
https://youtu.be/WxE4hu24AvU
https://youtu.be/q2VXUNAc1vw
https://youtu.be/53PLfiWSkzA
https://youtu.be/wdOk-_MvaPc
https://youtu.be/oifVv2pRe2Q

9)NYからコールドプレイ。
BTSとの新曲”My Universe” 「曲の半分は韓国語で、おかげで平均年齢が15歳くらい若くなった。最高に楽しいコラボレーションだった。この曲は愛について。それが全て」と語っている。クリス・マーチンが韓国語で歌う箇所もある。

“Viva La Vida”

10)さすがNY出身の盛り上がりと期待を裏切らないゴージャズなパフォーマンスを観せてくれたジェニファー・ロペス
“Jenny From The Block”

“愛についてのメロディー”

11)NYからシンディ・ローパーが、「アフガニスタンの女性たちに捧げて」”Girls Just Wanna Have Fun”を披露し、「これは癒しの曲」と言って、”True Colors”をパフォーマンスした。

12)NYからリゾ。どんな人でも笑顔にしてしまう強烈にポジティブなライブを披露してくれた。しかし、その前に、「今私達が立っている場所は、元々はアフリカン・アメリカンのコミュニティがあった場所なのだけど、この公園を作るために彼らを退かしたといとを忘れてはいけない」と語っていた。

「ここで地球温暖化について語り合い、ホームレスの問題を解決し、世界を良くしようとしているわけだけど、同時に組織的な人種差別がこの国では常に起きていることも忘れてはいけないと思う。歴史を建設的に話さなかったら、より良い未来を建設していくこともできないと思うから」と、リゾのライブらしいモチベーションの上がるスピーチもしっかりした。

“Good As Hell”

https://twitter.com/lizzo/status/1442135622056087557



13)NYからロード。「気候温暖化についてのアルバムではない」と語っていたロードだけど、でも、南極を訪れたりしたことも影響されている新作『ソーラーパワー』から”Solar Power”を演奏。「環境の改善は大企業や政治家に責任がある。だけどムーブメントというのはいつだって私たち1人1人から起きるもの」と語っている。

14)LAからH.E.R.が”Are You Gonna Go My Way”のカバー。

15)ポール・サイモンがサプライズで登場。
NYの復活を祝うはずだった先月のコンサートがNY史上初のゲリラ雷雨で中止。正に地球温暖化によって阻止されてしまったわけだが、この日は秋晴れの快晴。仕切り直しでポール・サイモンがサプライズの締め括りをした。

pic by Sachyn Mital
pic by Getty Images for Global Citizen
pic by Sachyn Mital
pic by Getty Images for Global Citizen

興味深いのは、ビリーが”all the good girls go to hell”の背景で流すような地球の危機の映像を、ポール・サイモンが流したこと。ステージに生物学者のE.O.ウィルソンを招き、彼が「我々は、22世紀までにこの地球をパラダイスにする可能性を持っている」と語ったことが忘れられないと言っていた。

ポール・サイモンは2018年にツアーを引退すると言ったが、自分の信じるチャリティ活動のためなどにライブを時々行うと言っていた。今回は正にそのために登場したのだ。彼のライブ映像も残念ながら現時点ではまだポストされていないのだけど、されたらここで紹介します。

最初に”The Boxer”を演奏し、地球の映像を見せた後に、「その後にこの曲が必要な気がする」と言って、”The Sound of Silence”で締め括った。


ポール・サイモンがツアーを引退したと言った後にも続けていることと、デビューしたばかりのビリーの曲のメッセージが同じというところが、地球温暖化と新世代の意識を象徴していると思う。

世界で行われたGlobal Citizenは全会場において、ワクチン接種した人のみが入場可。入場する時に、ワクチン接種済みのカードかアプリとIDを提示してから中に入った。NYは中でもマスク着用を勧められたが、屋外ということもあり中にはしてない人たちも多く見かけた。私はプレスエリアにいたのでずっとマスクを着用していた。

この配信中に発表された今回のチャリティの成果。

ー世界の貧困層を救うために11億ドルが集まった。
ー世界に1億5700万本が植樹。
ー世界中の人たちを守るために6000万回分以上のワクチンが寄付された。

協力を申し出た国は、ベルギー、ノルウェー、ブラジル、インド、フランス、クロアチア、EU、ドイツ、アイルランド、オランダ、アメリカなど。日本は入ってない。

企業は、アメリカン・エクスプレス、デルタ航空、P&G、スターバックス、マスターカード、レゴなど。

追記(9月30日):約6時間のNYライブの映像が全編公開された。これでビリー・アイリッシュ、コールドプレイ、ポール・サイモンの映像が全編観られる。これはいつか消えてしまうと思うので観られる時に早めに観て欲しい!大体の内容は以下の通り。

1)
https://youtu.be/oifVv2pRe2Q
7:00 Cindy Lauper
29:45 Alessa Cara
45:00 Prince Harry and Meghan
58:00 Jon Batiste
1:24:00 Camila Cabello (Shawn Mendezとも共演)
1:53:00 Burna Boy

2)
https://youtu.be/iZm3Hs6n7SI
12:00 Lang Lang
35:00 Lizzo
1:05:00 Shawn Mendez
1:47:00 Meek Mills
2:05:00 Jennifer Lopez
2:32:00 Billie Eilish
3:09:00 Coldplay (Camila Cabello & Shawn Mendezとも共演で”Yellow”披露)
3:52:00 Paul Simon



ビリー・アイリッシュの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。


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