アーケイド・ファイアが5年ぶり感動の新曲”The Lightning I, II”のMV発表。新作『WE』はナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースで5月6日に発売。

アーケイド・ファイアが5年ぶり感動の新曲”The Lightning I, II”のMV発表。新作『WE』はナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースで5月6日に発売。

アーケイド・ファイアが5年ぶりとなる新曲”The Lightnigng I, II”を発表した。
MVはこちら。

さらに、新作『WE』を5月6日に発売、と発表した。

WE Tracklist:
Side I:
01. Age of Anxiety I
02. Age of Anxiety II (Rabbit Hole)
03. End of the Empire I-IV
Side WE:
04. The Lightning I, II
05. Unconditional I (Lookout Kid)
06. Unconditional II (Race and Religion)
07. WE

この新曲が、逆境に強いアーケイド・ファイ節が全開に出ていて、もう涙が出てしまう。これだけで10000字くらい楽勝で書けるんだけど、今締め切りで別の原稿を書いているので我慢する(涙)。

新作について分かっている情報は、
1)ナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースしたということ。

2)アルバムは、アメリカ国境近くのエル・パソと、ニューオーリンズ、マウント・デザート・アイランドでレコーディング。

3)過去最短の40分のアルバムで、A面は、”I”(Isolation=孤独)で、B面は”WE”(人との結びつき)。つまり、「僕」から「僕たち」への旅路が描かれていること。さらに、あまりにベタだけど、最終的には、WE=みんなでなら乗り越えらるということについて。また無償の愛が歌われているということ。

4)『WE』のアルバムアートワークは、前作も手掛けたアーティストのJRが撮影した写真に、デヴィッド・ボウイの『Hunky Dory』や『Ziggy Stardust』を手掛けたTerry Pastor がエアブラシしたもの。バンドの新しいアーティスト写真もちょっとボウイっぽい。

日本から買えるか分からないけど、バンドの公式サイトではサイン入りや、インディレコードストアの限定の予約が既に開始している。
https://af.lnk.to/_we/

ウィン・バトラーがBBCのラジオで語っていたことと、以下のメッセージを要約すると。

この作品は、アメリカの国境のエル・パソで、現地でのコロナの被害が最大という最中に制作。
しかも、それは、アメリカ大統領選の最中でもあり、アルバムの制作中に、テレビを外に持ち出して、トランプが負けるところを目撃しながら、曲を作ったりしたそう。
また、ボーカルがエモーショナルになっているのは、当時大きなニュースにもなっていたが、ハイチの移民が自由を求めて徒歩で国境を越えようとしたところ、馬に乗った国境警備隊に鞭で打たれたことを思っていたから。

ラジオで言っていたけど、この曲は、世界が崩壊しようとしているなら、そのど真ん中に行って作ってやれと思った、と。この曲でアーケイド・ファイア節が全開していて、最強なのは、それが理由だと思う。その崩壊に彼らが真っ正面から立ち向かっているからだ。カッコ付けたインディ・ロック好きがカッコ悪いと思うようなところから彼らは絶対に逃げない。ブルース・スプリングスティーンからの影響かもしれない。

さらに歌詞で感動するのは、サビで、「君さえ諦めなければ、WE(僕ら)は乗り越えられる。僕は君を諦めたりしない。だからお願いだから僕のことを諦めないで」と歌っているところだ。1人ではダメだ。僕らでなくてはいけないのだ。

しかも、この曲がさらにすごいのは、どんなに頑張っても、どうにもならないこともあるというところまで歌っているところだ。
「それは僕らには決められない。時に君が勝つこともあれば、負けることもある」と。それは「稲妻が決めること」なのだ。
それでも、精一杯、息切れするくらいの速さで歌い、「稲妻を待っていたけど、でもそれがもたらすものってなんなんだ?」という疑問で終わっているのが鳥肌だ。

光というのは、希望のように使われるけど、それが全て良いものとは限らないということを歌っているような気がする。タイトルの”The Lightning”通り、彼らは、稲妻が走る瞬間を待っている。その中で、ウィンは、自分の子供が、この「毒された空のもと」でも、パラダイスを見ていることに希望を感じたので、それを歌おうとしている。

「稲妻」は、僕らの道を示し、空を照らす。しかし、それは、全てを燃やし尽くすこともある。でもだから、また新しく始められるんだ、とまで歌っているのが、最悪の状況に強いアーケイド・ファイアなのだと思う。(*ちなみに、今、一度だけ聴いての感想を急いで書いているので、勘違いがあったら後で訂正します。)

アルバムが楽しみすぎる!!!

バンドは、新曲を発表する初ライブを、ニューオーリンズで、彼らしくウクライナへのチャリティとして行った。ファンは、自分が思う金額を払って入場した。ウィンは、ステージで泣きそうになったと言っていた。

バンドは、ティーザーとしてカナダのファンにポストカードなどを送ったりしていた。

少し気になるのが、アーティスト写真に5人しかいないことと。いまいち顔がよく確認できないけど、新曲のMVには弟のウィルとリチャード・リード・パリ―が映っていなくて、元々のメンバーのウィン、レジーヌ、ティム、ジェレミー、サラ、の他に、ハイチのミュージシャンであるPaul Beaubrun とウルフ・パレードのDan Boecknerが演奏している。少しメンバーが変わったかもしれない。

以下ウィンの声明文。

アーケイド・ファイアが5年ぶり感動の新曲”The Lightning I, II”のMV発表。新作『WE』はナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースで5月6日に発売。



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アーケイド・ファイアが5年ぶり感動の新曲”The Lightning I, II”のMV発表。新作『WE』はナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースで5月6日に発売。

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