アーケイド・ファイアが先週5年ぶりの新作『WE』を発表したが、そのジャケ写は人間の瞳であり、ブラックホール=Sagittarius A*(地球が属する銀河系「天の川銀河」の中心部にあるブラックホール)になっている。
アルバムの前半の最後の曲も "End of the Empire IV (Sagittarius A*)"だが、なんとリリースから1週間後に、国際研究プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」が、そのブラックホールの撮影に成功するというとんでもないタイミングの歴史的な成果があった。
実は、発表は今日あったのだけど、昨日アーケイド・ファイアのウィン・バトラーにインタビューした際に、この成功をすでに知っていて、その記者会見で "End of the Empire IV (Sagittarius A*)"をパフォーマンスしてくれと言われて、もちろん引き受けたと大喜びしていた。「これほど『WE』的な瞬間もないんだよ」と。
パフォーマンスの映像はこちら。
それで、彼らが、この曲、アルバムのジャケ写に込めた意味について、記者会見でも、私のインタビューの中でも語っていたけど、ツイートでこのようにコメントしている。
「僕らには知らないことがあまりにたくさんある。僕ら自身について、僕らの心について、惑星について、太陽系について。
初めていて座A*、惑星の中心にある巨大な黒い穴について読んだ時に、それがすごく象徴的だと思ったんだ。僕らはどれだけ自分たちを理解しようとしても、それを見つめるのを失敗する。
だけど、今日それについて少しだけ分かった。それも世界中の望遠鏡と科学者の協力のおかげだ。これは人間がみんなで力を合わせれば何を達成できるのかの証拠だと思うんだ。
もしかしたら、『いつの日か、向こう側が見えるのかもしれない』
僕らを招待してくれてありがとう。ものすごい光栄です」
この国際研究グループが、彼らが発売したばかりのアルバムに”Sagittarius A*”という名前が入った曲が収録されていると知っていること自体素晴らしい。
この研究グループには、日本の研究者も参加していて重要な役割を担っていた。
アーケイド・ファイアのインタビューは、6月7日発売の『ロッキング・オン』7月号で掲載です。
またアーケイド・ファイアは、最近BBCのライブパフォーマンスで、ハリー・スタイルズの新曲”As It Was”をカバーしている。アーケイド・ファイアがカバーすると切なくなるのがポイント。
UKでは、すでにアルバム『WE』が初登場1位と予想されている。
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