リアム・ギャラガーが”Live Forever”をテイラー・ホーキンスに捧げる。スラッシュ、エルトン・ジョンなども。コートニー・ラヴはデイヴを労る。テイラーが最後にクイーンをカバーする映像も公開。

リアム・ギャラガーが”Live Forever”をテイラー・ホーキンスに捧げる。スラッシュ、エルトン・ジョンなども。コートニー・ラヴはデイヴを労る。テイラーが最後にクイーンをカバーする映像も公開。 - Ⓒ Rock & Roll Hall of Fame 2021Ⓒ Rock & Roll Hall of Fame 2021

突然亡くなったフー・ファイターズのテイラー・ホーキンスへの追悼が世界中で引き続き行われている。

●まず最初に、ひとつ前のブログに書いたジミー・ペイジが言っていたフー・ファイターズのライブに出演して、テイラーが歌ったという映像があった。
https://rockinon.com/blog/nakamura/202053

リアム・ギャラガーが、ライブの最後にテイラーに捧げて”Live Forever”を歌う(涙)。

「この最後の曲をワン・アンド・オンリーのファッキング・テイラー・ホーキンスに捧げる。この曲は君に、ブラザー」

しかも、この日のバンドのドラムにテイラーと書いてある。

テイラーは、オアシスの大ファンだったことから、リアムとも友達になったよう。リアムも、テイラーが大好きだったようで、デイヴ・グロールが、ラーズ・ウルリッヒの番組に出た時に語っていた。いかにリアムがグラストンベリーに出演直前で緊張していたテイラーを落ち着けてくれたのかについて。この17分あたり。

デイヴは、グラストンベリーの偉大さがあまり分かっていなくて、緊張してもいなかったそうなのだが、テイラーはすごく緊張していて「ナーバスになってる」と言っていたそう。そこにリアムが入ってきて、真っ直ぐにテイラーのところに行き、テイラーが作ったソロ作の中の「”Range Rover Bitch”が最高!」といきなり言ったらしい。

テイラーは何のことか分からなかったようなのだが、リアムがその曲を全部しっかり知っていて、テイラーに向かって歌い出したそう。デイヴ曰く、「おかげでテイラーが落ち着いた。あの日の演奏が良かったのは、リアムのおかげだ」と。テイラーとリアムの間柄のおかげで、リアムがアメリカ西海岸で行われたCalJamまでわざわざ来てくれたんだ、という内容だった。いい話。

スラッシュもテイラー・ホーキンスに捧げてパフォーマンス。

「彼は素晴らしい人だった。しかもものすごく優しい人で、良い友達だったし、最高のドラマーだった。彼が亡くなって本当に心が打ち砕かれている」


エルトン・ジョンも”Don’t Let The Sun Go Down On Me”をテイラーに捧げてパフォーマンス。

マイリー・サイラスもこの日のライブを「友でありレジェンドのテイラー・ホーキンスに捧げる」

マイリーは、南米のフェスをフー・ファイターズと一緒に回っていて、テイラーが亡くなる前に会うことになっていたのだそう。しかしマイリーの飛行機が雷のせいで、緊急着陸しなくてはいけなくなったため、テイラーに会えなかったと。でも、緊急着陸した後に最初に電話したのがテイラーだったと言っている。「本当なら友達に会えていたのに。でも、会えなかった。だからものすごく悲しい。彼にもう1度会えるためだったらなんでもする」と涙ながらに語っている。

また「私はステージに上がってバンドと一緒に演奏するたびに、このバンドメンバーの誰か1人にでも何か起きたら、耐えられないといつも思っている。だから今フー・ファイターズのメンバーがどんな気持ちでいるのか想像もつかない。”Angels Like You”をテイラーに捧げます」。

プリンス財団もテイラーを追悼。

「プリンスとフー・ファイターズは、お互いを尊敬し合っていました。プリンスは、スーパーボウルのハーフタイムショーの時に、”Best Of You”をパフォーマンスし、フー・ファイターズは、グラミー賞のプリンス追悼で演奏してくれました。テイラー・ホーキンスのその時の演奏は輝いていました。彼はステージに上がる度にいつも輝いていました」


コートニー・ラヴカート・コバーンの写真とともにデイヴを労う。

「なんて悲しい日なの。なんて悲劇的な死なの。テイラーは本当にスウィートでかわいい子だったし、最高のドラマーで、心が優しい人だった。私の最愛のパットと、そしてデイヴィッドにお悔やみ申し上げます。テイラー、安らかにお眠りください。デイヴ、本当に残念で心が痛い」


テイラーが亡くなった時に、デイヴ・グロールがまたバンドメイトを失ってしまったと心配になった人も多かったのではないかと思う。フー・ファイターズは、カートが亡くなったから始めたバンドだったわけだし。そのバンドが25周年を迎えたわけだし。

デイヴは、去年発売した自伝『The Storyteller』の中でもテイラーのことをこう語っている。

テイラーは、「母親が違う兄弟みたいなもので、親友で、彼を守るためなら俺が代わりに銃弾を受けてもいい」。

さらに「最初に会った時から、すぐに意気投合した。しかも、毎日、一緒に曲を演奏すればするだけ、音符を弾けば弾くだけ、さらに仲良くなっていったんだ」、「絶対に一緒にバンドをやる運命だった。だから生きてる間にお互いが出会えたことを本当に感謝している」と。

●3月20日テイラーが最後に出演したアルゼンチンで行われたロラパルーザの映像が公開されている。

デイヴがテイラーを紹介しているのだけど、テイラーに、このライブはどうか?と訊いて、「ブエノスアイレスのこんな巨大な場所で演奏できて最高」と答えている。「テイラー・ホーキンスの良いところは、間違いなく世界一のドラマーだってこと。俺たちも大好きなんだ。だけど、もうひとつあるんだ。彼のパンツは見たことないだろう? パンツがまた最高なんだ」とデイヴさんらしく紹介している。

それでテイラーがステージの真ん中に来た時に、デイヴとハグして「デイヴ・グロールが大好きなんだ。デイヴ・グロールがいなかったら、今頃ピザの配達をやってたかもしれない。または楽器屋のドラム係だったかもしれない」。

そして大観衆の前で、彼が音楽を始めたきっかけとなったクイーンの”Somebody to Love”を熱唱している。

●2021年にロックの殿堂入りしたフー・ファイターズだが、ロックの殿堂が追悼映像を公開。



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リアム・ギャラガーが”Live Forever”をテイラー・ホーキンスに捧げる。スラッシュ、エルトン・ジョンなども。コートニー・ラヴはデイヴを労る。テイラーが最後にクイーンをカバーする映像も公開。

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