天才バンド『アインとシュタイン』:スタンダードという力
2014.04.15 16:32
奇妙礼太郎、Sundayカミデ、テシマコージによるバンド、天才バンド。普段から奇妙礼太郎の歌にぶっ飛ばされ続けている身としては、これがよくないわけなかろうという確信だけはあったのですが、やはりいい、というか見事としかいいようがない。
ギター・ヴォーカル、ピアノ、ドラムのトリオ編成で、収録されている楽曲のほとんどはSundayカミデのバンド=ワンダフルボーイズの楽曲として発表されている既発曲。要するに、表現の自由度としてはあらかじめ狭められているというか、まっさらなキャンバスに自在に絵を描くというのとは違うところから出発しているのがこのバンドなのだが、だからこそ、このアルバムは音楽のもつ力を無限に引き出す。奇妙礼太郎はよく松田聖子とか“オー・シャンゼリゼ”とかをカバーしていて、そうやって人の曲を歌う彼が僕はたまらなく好きだが、このアルバムを聴いているときの感覚はそれに近い。このバンドでの奇妙礼太郎は、Sundayカミデの曲に入り込んで、自らの声を曲にすべて預けている。だから、音楽全体が普遍の方向へ開けていく。
もうなんか、ずーっと聴いてたい。