GOOD ON THE REEL「HAVE A "GOOD" NIGHT」

GOOD ON THE REEL「HAVE A "GOOD" NIGHT」

東名阪で行われたツアー、Predawnとの2マンでおこなわれた東京公演。すばらしかった。

GOOD ON THE REELの音楽は、それを受け止めるひとりひとりの、今まで歩いてきた道とこれから歩いていく道を力強く照らし出す。生きる意志を讃え、肯定する。しかも、その肯定は、「大丈夫だよ」「君は素晴らしいよ」というサルでも言えるような慰めや励ましではない。千野の歌には、自分や誰かを傷つける何かとか、自分のなかにある汚い心とか、どうしても拭えない孤独とか、ときに暴走する欲望とか、そういうものを全部愛そうという覚悟がある。そういうもの全部を受け入れた上で、すべてを肯定してやろうという執念がある。

満員の赤坂ブリッツでのライヴを観ながら、改めてそんなことを考えた。あの覚悟と執念は何なのか?
僕が思うに、きっと千野隆尋という人はいつからか、そうやって音楽で人を救うことを「役割」として自分に課したのだろう。「役割」を自覚した人間は簡単にはそこから降りられない。だから彼はどんどん広がっていくGOOD
ON THE REELの音楽とそれに出会う人たちに、最後の最後まで見ているから、と語りかけることができるのだ。そしてそうした役割を負うことによって、きっと彼自身も強くなれたのだと思う。

アンコールの最後でやった”ハッピーエンド”、個人的にもすごく好きな曲だ。すべてを失ったとしても、最後まで生きて迎えた結末はハッピーエンドである、という意思。何度聴いても感動する。

と、堅苦しく書いてますが、だからといって無駄な高尚さは彼らのライヴにはありません。どこまでも優しく、人懐っこく、やんちゃだったりもする。「コミュ障のリハビリ」としてMCを任されたベースの宇佐美友啓、そしてアンコールで千野の無茶ぶりにしどろもどろになっていたリーダーでドラムの高橋誠。ふたりの声が聞けたのもよかった。

あと、ステージで宇佐美も言ってくれましたが、GOOD ON THE REEL、ROCK IN JAPANにも出演決定です!
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