グッドモーニングアメリカ『inトーキョーシティ』全曲カウントダウンレヴュー( 10)

グッドモーニングアメリカ『inトーキョーシティ』全曲カウントダウンレヴュー( 10)

グッドモーニングアメリカ、メジャー2ndフルアルバム『inトーキョーシティ』発売まであと3日!

日替わりカウントダウンレヴュー、今日は10曲目“STAY WITH ME”です。

ヴァラエティ豊かな『inトーキョーシティ』の中で、とくに新鮮なのがこの曲。シンセサイザーがサウンドの中心にいて、全体に浮遊感があって広がりのある世界を描いている。ギターでガンガンドライヴさせるよりも、柔らかいシンセでアトモスフィアを描くことで、楽曲のもつ優しさが引き立てられている。なんだろう、サビ終わりの「オッオッ〜」というコーラスとか、ちょっとコールドプレイみたい。金廣自身もインタヴューで「いちばんチャレンジした曲」とこの”STAY
WITH ME“について説明してくれた。

シンセ、というとダンスミュージックを連想してしまうし、ダンス・ミュージックを取り入れるというのは今どきどんなバンドでもやっていることだけれど、この曲でグッドモーニングアメリカがやっているのはそういうことではない。むしろ「踊れる」ということでいえば、このアルバムにはもっとダンサブルな曲がいくらでもある。ではなぜこの曲がシンセサイザーの音を求めたかといえば、歌をしっかり届けるためだと思う。タイトルどおり「一緒にいて」と語りかける真摯なラブソングで、そのメッセージに説得力を与えるためには、世界を丸ごと包み込むような大きなスケールのサウンドが必要だったのだ。事実、この曲を目を閉じて聴いていると、真っ白で透明な世界にくるまれるような感覚を覚える。きっと、ギターロックにこだわっていたらこういうイメージは生み出せなかっただろう。

もちろん新しい領域に果敢に手を伸ばせるのは、逆にいえばそれだけの自信と確信があるからだし、結果的にすごく「今」な感触を感じさせるものになっているのは、彼らが進んでいる道が間違っていないことの証明でもある。僕はこの曲からラスト”スクランブル交差点”に向けて、どんどん空が広がっていくような流れが好きだ。

これまでのレヴューは以下。終わりが近づいてまいりました。

1. inトーキョーシティ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111450
2. アブラカタブラ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111490
3. 何とかなるでしょう
http://ro69.jp/blog/ogawa/111512
4. STOP THE TIME
http://ro69.jp/blog/ogawa/111532
5. 拝啓、ツラツストラ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111617
6. コールアップ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111690
7. 夕暮れ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111709
8. ワンダーフルワールド
http://ro69.jp/blog/ogawa/111877
9. 2014年6月25日我思ふ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111895
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