メッセを埋めたオーディエンスを前に、俺たちは背伸びしないでここまできた、と川上洋平は言っていた。

でも正確にはそうじゃないだろう。背伸びしなかったんじゃなくて、上手に背伸びをしてきたということだと思う。背伸びをしているうちに、本当に背が伸びるということもある。

だから、前より大きな会場で彼らの曲を聴くと、いつも「ああ、この曲はここで鳴るためにあったんだなあ」と思う。なんていうか、折り畳んでいた翼をバッと広げるような感じ。

デカい場所になればなるほど、曲が本来持っていたスケールがあらわになっていく。ひさびさのツアーということでレアな曲もあったけど、どの曲も本当にいきいきと鳴っていた。

そして“Girl A”。こいつはもっとデカい場所で鳴るべき曲だ。