Nothing's Carved In Stoneのニューアルバムを聴いて、ロックの向こう側を見た気分になる

Nothing's Carved In Stoneのニューアルバムを聴いて、ロックの向こう側を見た気分になる
何だよロックの向こう側って。そう言わずに聞いてください。
今週発売になったニューアルバム『Existence』、半端じゃなくいいです。

Nothing's Carved In
Stoneはまごうかたなきロックバンドだ。3つの楽器とひとつの声がガチンコでぶつかり、交わったその瞬間に生まれる問答無用のスリルと昂揚感、それこそがナッシングスを観たり聴いたりするときの快楽だ。その快楽性、機能性が他のバンドと比べてもずば抜けているがゆえ(このテンションとこのバランスでこの音を鳴らせるバンドは他にいない)、僕もそれが、それこそがナッシングスなのだと思っていた。

でもそれだけじゃないと気付いたのは5枚目のアルバム『REVOLT』を聴いたとき、もっといえばそこに入っている”朱い群青”という曲を聴いたときだった。そこには音と個性のぶつかり合いの中から、ヴォーカル村松拓という「人間」が顔を覗かせていた。そこからの3枚のアルバムで、ナッシングスはそれまでとは違う有機的な「顔」をもつバンドへと進化した。その中心にいたのは村松というひとりの男であり、彼のパーソナリティと生き様が、ナッシングスというハイパーなバンドをドライブさせていることが、ライブを観てもはっきりとわかった。

今回の『Existence』は、その『REVOLT』以来のターニングポイントだと思う。

切れ味や針の穴を通すような正確さにおいてではなく、肉体的なゆらぎや抑揚によって、このアルバムの迫力は生まれている。まるでバンド全体がひとつの生物のようにうごめいて、ひとつの道を歩いているような生々しさがある。ロックとしての強度や洗練度でも、属人的な肉体性でもない、ロックバンドという生命体を、ナッシングスは飼いならし始めた。

そういうアルバムだから、最後の超個人的なバラード“Adventures”がいっそう胸を突く。

そんなナッシングスを背負うフロントマン、男・村松拓akaたっきゅんが、12月29日発売のROCKIN'ON
JAPAN「爆飲会」に登場です。自宅最寄り駅前の飲み屋でくだ巻きまくってきました。お楽しみに。
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