本日発売のサラバーズのニューシングル『アンデスの街でこんな夜はHOT HOT HOT!』。たまらんです。
前回のシングル『床には君のカーディガン』もよかったけど、今作のテンションの高さ、音が重なるごとに、メロディが進むごとに体中が何かで満たされていく感じ、ナイーヴな感情を振りきって全力で前に進むスピード感(曲調じゃなくて姿勢の話ね)はただごとではない。
出てきたときのサラバーズはとにかく乾いた感情をささくれだったギターに乗せて叫ぶバンドだった。それがシングル『ディタラトゥエンティ』の“仏教ソング”では《まだまだ生きていく!》と顔を上げて世界に立ち向かう宣言をし、1stアルバム『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』では初めて“愛しておくれ“と歌った。要するに、自分を愛し、世界を愛し、他者を受け入れる、そのプロセスをまんま曲に刻みつけながら、サラバーズは歩いてきた。
で、このシングルである。
1曲目“HOT HOT HOT!”で古舘佑太郎は《好きと好かれたいはもう同じ感情なんだ》と歌っている。2曲目“アンデスの街で”では《あっちゅー間に歳を取ってもキスしよう》、3曲目“こんな夜は”では《僕を殺したのは/僕を生かせるのは/その犯人は一人》と歌っている。
「愛」という曖昧なものを全力で信じられる強さが、今の古舘にはある。強さと優しさ、いい男になったなあ、とかいうと偉そうだけど、そんな感じがする。それってつまり、もうそう簡単には折れたりしないということだ。だから後ろを振り返ることも、やさぐれることも必要ない。イケイケなのである。
ところで、全然関係ないけど、“HOT HOT HOT!”というタイトルに往年の藤井隆のネタを連想してしまうのはやっぱり世代的なもんで、91年生まれの古くんはもしかしたら知らないのかもと思うと切なくなりますね。