石風呂のニューシングルについて書くのを忘れていた

石風呂のニューシングルについて書くのを忘れていた

いや、忘れてたわけではないです。コンテンポラリーな生活についてばかり書いていましたが、石風呂のメジャーデビューシングルも今月リリースされていたのだった。

※改めて説明しますと、コンテンポラリーな生活のVo・G朝日廉とボーカロイドP石風呂は同一人物です。

トリプルリードのシングル『せーのっ!!!』、1曲目の“ワンツーハロー”(アニメ「リコーダーとランドセル
ミ☆」のエンディング・テーマ)の動画がこちら(要ニコニコ動画アカウント)。すばらしく間口が広く、かつ深い楽曲。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm21532062

この動画ではIAが歌っていますが、CDの1曲目には生ヴォーカルヴァージョンが収録。歌っているのは柏山奈々美。石風呂の熱烈オファーで実現したらしい。

まあ、生声がいいかボーカロイドがいいか、はこの際おいておいて、というかロック青二才的にはわりとどうでもよくて、肝心なのは曲です。そして歌詞です。

《僕だけ違うような道を歩いている
それすら当たり前になったのはいつだっけ
思い出せない》

とか、

《今、遠い場所に居て声も届かず
消えてしまうことを僕は怯えている
そんな日がいつか来るのかなと
それでも笑うのさ》

とか。

朝日はコンポラのインタヴューで「コンポラと石風呂の曲はこれからもっと別のものになっていく」と語っていたけど、やっぱり、僕にはつながっていると思える。根っこは同じで、そこからのびた枝の先でどんな花が咲くかの違い、なんじゃないか。

コンポラと同じように、石風呂も簡単に夢や理想を描かない。むしろ、冴えない日常ややるせない感情やだらしない自分(主人公)を描く。だらしないくせに、それを何とかしたいという気持ちだけは持っていて、でも実際何とかできるかというとそうでもない、という自分(主人公)ばかりを描く。別に夢物語を歌わせたっていいのにそうしないのは、やっぱり彼にとって音楽はパフォーマンスや表現というものを越えて、この現実で生きていく術みたいなものだからじゃないかと思う。現実を見ないと現実と戦えないしね。

石風呂の曲のほうがちょっとメランコリックだったりナイーヴだったりする感じがするのは、やっぱり女の子の声を借りているからかな。そのぶん素直な言葉が出ている気もする。だからスムースに入ってくる気がする。
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