back number『ラブストーリー』発売カウントダウン全曲レビュー! その10
2014.03.24 15:09
昨日アップしたはずが上がっていなかったので、改めて。失礼いたしました。今日もう1本書きます。
※3月26日発売、back numberのニューアルバム『ラブストーリー』を、発売日までカウントダウンしながら1曲ずつレビューしていきます。
M-10 ”ネタンデルタール人”
シングル『fish』のカップリングに収録されていた「自虐&妬み言いたいこといい放題ソング」。この曲について、栗原寿は「依与吏さんのことだなあみたいな。人間性がふんだんに歌詞の中に出てる」、小島和也は「録ってて、途中で笑ってしまって弾けなくなった(笑)」と語ってくれたが、コンプレックスを勢い任せにぶん投げつつ、それを笑い飛ばしてしまうユーモアはまさしく清水そのものだ。あのシングルにはこの曲とともに“優柔不断宣言”が入っていて、“fish”の名曲っぷりからするとすごい収録内容なのだが、あの2曲があることで、彼らは“fish
の先に行けたということもできる。そしてそういう自分のダメなところをカラッと歌ってしまえる強さは、このアルバムにとっても必要なものだった。誰のことかは知らないが、おそらく同業者の誰かに向けて《なんであいつと同じに歌えないんだよ/僕も天才ってチヤホヤされたいのに》といらだちを露わにしながら、最終的にはそれを弾むようなリズムに乗せてポジティヴなモチベーションに転化していくダイナミックな展開。単なる自己肯定に終わらず、かといってむやみに他人を攻撃することもなく、自分の立っている地面をちゃんと見定めた上で未来に向かって踏み出す、とても頼もしい清水依与吏の姿がここにはある。《妬んでるだけの時間を終わりにしよう》という最後の1ラインを言えるか言えないか、その差は大きい。アルバム全体の中で見ると、最後の2曲に向かう前の一種の箸休めとしても機能しながら、『ラブストーリー』の起承転結の「転」を1曲で担っている重要曲でもある。
後ほど次のM-11 “頬を濡らす雨のように”もアップします。
アルバム発売まであと2日!
↓これまでのレビューはこちら。
M-1 ”聖者の行進“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98879
M-2 “繋いだ手から“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98907
M-3 “003”
http://ro69.jp/blog/ogawa/98928
M-4 “fish”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99019
M-5 “光の街”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99093
M-6 “高嶺の花子さん”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99163
M-7 “MOTTO”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99252
M-8 “君がドアを閉めた後”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99267
M-9 ”こわいはなし”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99277