新世代の光と原石の輝きが出会う場所。キューンミュージック主催イベントを観た

新世代の光と原石の輝きが出会う場所。キューンミュージック主催イベントを観た

キューンミュージック主催の、若手アーティスト大集結イベント「/ SLASH /」。トリを飾ったKANA-BOONはキューン新世代どころかロックの未来そのものみたいなスケールの歌とサウンドで終始スタジオコーストを揺らしまくっていたし、KANA-BOONと同じくキューン20周年オーディション出身のシナリオアートは3ピースの編成にメロディとアンサンブルの魔法をありったけ凝縮させて、ロックシンフォニーの極みのような高揚の風景を繰り広げていた。

奇しくもそんな2組が4日前にリリースしたスプリットシングルにライバル心を燃やしつつ、「俺たち以上に俺たちの音楽を愛してくれる人たち」とキューンに最大限のオマージュを捧げていたのはBLUE ENCOUNT。ラストの“もっと光を”で呼び起こした特大のシンガロングは、この日屈指のハイライトとして観た人の心に刻まれたはずだ。一方、DJみそしるとMCごはんは舞台上でリアルタイムで練られ蒸されていくおまんじゅうそのままにキュートなラップでフロアをじっくりほっこりあっためていた。

そして、新たにオーディション優秀賞バンドとしてこの日の舞台に上った3組。激情と狂騒の偶発的なカオスではなく、楽曲とサウンドの力で微塵の狂いもなくカオスそのものを描く「さらばルバート、空を飛ぶ」。ファニーなキャラクター越しに、ガールズバンド版フランク・ザッパとでも言うべきパニックポップ感を放射する「CHAI」。ベースレスのシンセポップスタイルで極彩色の多幸感を咲き誇らせてみせた「Couple」。眩い原石の才気と情熱が、音楽の「その先」の可能性を高らかに鳴らしていたのが印象的だった。セットリスト含め詳細は後日レポートします。(高橋智樹)
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