【祝20周年】ASIAN KUNG-FU GENERATION、全ALレヴュー大公開! 本日は『マジックディスク』

今年、めでたく結成20周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATION。RO69ではそれを記念して、『崩壊アンプリファー』から『Wonder Future』まで全オリジナルアルバムを振り返るレヴュー特集を行います。毎日1作品ずつアップしていきます。本日の作品は2010年発表『マジックディスク』です!

【祝20周年】ASIAN KUNG-FU GENERATION、全ALレヴュー大公開! 本日は『マジックディスク』

『マジックディスク』は、アジカンが世代を代表するロックバンドから日本を代表するロックバンドへと成長したことを証明した一枚だ。中村佑介が手掛ける美しいアートワークには、満を持してメンバー4人が登場。で、そこに収められたメッセージの奥深さや、サウンドの包容力・普遍性について書こうと思っていたのだけど、やめた。『マジックディスク』の素晴らしさは、ズバリ「音の良さ」である。本作以降、アジカン作品は加速度的に音のクオリティが上がり、今日に至るまでのディスコグラフィーを形成してゆく。

“新世紀のラブソング”や“迷子犬と雨のビート”といった名シングルの他にも、“さよならロストジェネレイション”や“架空生物のブルース”、“橙”など、それぞれの曲をテーマにいい映画が撮れてしまうんじゃないかというドラマティックな名曲群があって、ホーンやストリングス、エレクトロニックサウンドを効果的に配した作風となっている。ただ、根本の部分では4人のベーシックな演奏スキルが歌詞や作曲やアレンジの素晴らしさを支えていて、そういう「音の良さ」の意味では“マジックディスク”、“ラストダンスは悲しみを乗せて”、“マイクロフォンン”といった楽曲群が見事にツブシを効かせている。

あと、本作の最後に“ソラニン”が収められていて本当に良かった。僕は、ライヴでゴッチが大切そうに“ソラニン”を歌うのを観るのが好きだ。リリースの翌年、東日本で大変な災害が起きた時に、アジカン『マジックディスク』、ソウル・フラワー・ユニオン『キャンプ・パンゲア』、RADWIMPS『絶体絶命』の3枚を取っ替え引っ替え聴きまくっていた時期があった。「生きる」という命題から目を逸らさず、根源的な反骨精神を奮い立たせてくれるアルバムだ。(小池宏和)

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なお、2016年4月30日(土)発売の『ROCKIN'ON JAPAN」6月号には、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが表紙巻頭に登場。バンドの20年を全力で祝う大特集を展開しています!
詳細はこちら。
http://ro69.jp/product/magazine/detail/142123

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