スピッツ全アルバムレビュー 6th『ハチミツ』【『醒めない』リリース記念】

2016年7月27日(水)に15thアルバム『醒めない』をリリースするスピッツ。
RO69ではリリースを記念して、これまでの全アルバムを振り返るディスクレビュー特集を行います。
『醒めない』リリースまで、1日1作品ずつレビューを掲載します。
本日の作品は1995年発表の6th『ハチミツ』です。

スピッツ全アルバムレビュー 6th『ハチミツ』【『醒めない』リリース記念】

昨年12月にスピッツに影響を受けたアーティストたちがカバーしたトリビュートアルバム『JUST LIKE HONEY~「ハチミツ」20th Anniversary Tribute~』がリリースされたことも記憶に新しい、彼らの代表作のひとつ。
今作で彼らは初めてオリコン首位を獲得し、初めてミリオンヒットを達成した。私のリアルタイムな感覚では中学生の頃に大きなヘッドフォンをしてこっそり聴いていたスピッツだが、高校に入るとクラスの3分の2くらいの生徒が『ハチミツ』を愛聴しているという状況になる。当時、ちょっといいなと思っていた隣の男子校の友達が「“愛のことば”って曲が好きなんだよね」と言うから、授業中に歌詞をノートに書き写してみたことがある。『ハチミツ』を聴きながら青春時代を過ごした人ならば、そんな甘酸っぱい思い出がひとつやふたつあるだろう。

“ロビンソン”のヒット、“涙がキラリ☆”のヒット、ライブの動員が増えたり、共同プロデューサーである笹路正徳との関係性も築いている良い状況が揃った中で放たれた、まさに、その後の長きに渡る「みんなのスピッツ」としてのイメージを決定づける作品。
しかし大人になってあらためてじっくり聴いてみると“愛のことば”は苦しい状況の中で守りぬくような究極の愛が描かれているシリアスな楽曲であるし、“歩き出せ、クローバー”も幸せの象徴・クローバーというモチーフに込められた願いが、草野マサムネ(Vo・G)が時代の様々な出来事に心を痛めているからこそ力強く歌われていることもよくわかる。
メンバー個々に色んな憧れはあるもののロックバンドとしての劣等感みたいなものをどこか抱えたままだったが、持ち味の毒っぽさも消してしまうことなく、だけどもスピッツらしいポップを獲得しながら堂々たるアンサンブルを響かせた。聴き手の心と甘く融け合って、どんどんスピッツという存在が広がっていった、まごうことなき名盤。(上野三樹)


なお、スピッツは2016年7月30日(土)発売『ROCKIN'ON JAPAN 9月号』の表紙に登場します。
お楽しみに!

公開済の作品はこちら
2016年7月16日 5th『空の飛び方』:http://ro69.jp/blog/ro69plus/145804
2016年7月15日 4th『Crispy!』:http://ro69.jp/blog/ro69plus/145764
2016年7月14日 3rd『惑星のかけら』:http://ro69.jp/blog/ro69plus/145713
2016年7月13日 2nd『名前をつけてやる』:http://ro69.jp/blog/ro69plus/145667
2016年7月12日 1st『スピッツ』:http://ro69.jp/blog/ro69plus/145597
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