7月にリリースしたミニアルバム『かたつむりになりたい』を携えた全国ツアーの11本目、F.A.D YOKOHAMA。今夜の対バンは出演順に、KOTORI、the peggies、SPARK!!SOUND!!SHOW!!という、いいラインナップ。

新作曲で滑らかに舞い上がるオープニングを描き出したyonigeだが、彼女たちのパフォーマンスはとても軽やかで抜けが良いのに、ときにハードコアばりのエモーションの密度に到達してしまう。歌に込められた思いの質量が高い、と言えば良いだろうか。

心がヒリヒリとする瞬間だけにフォーカスし続けるタフな歌。それを歌わないことには歌う意味がない、とぼかりに牛丸ありさのハスキーボイスは届けられる。音そのものが叫び転げているようなごっきんのベースプレイも、異様に雄弁だ。

こんなにも濃いロックが、軽やかにキャッチーに鳴り響いてしまうのである。一曲一曲を、一回一回のステージを噛みしめるように、ツアーは続いていくのだろう。ぜひチェックして貰いたい。

あと、一組目に出演した埼玉出身のKOTORI。鮮やかなほどに痛ましい青春の情景を振り回し、殴りつけてくるようなライブだ。yonigeとはレーベルメイトとして9月21日に初の全国流通盤『tokyo』を発表するが、この新作曲連発でオーディエンスを釘付けにしてしまっていた。こちらも凄いバンドだ。（小池宏和）