[Alexandros]のニューアルバム『EXIST!』いよいよ発売目前!ということで、TFM『SCHOOL OF LOCK!』の「アレキサンドLOCKS!」コーナーでは、川上洋平(Vo.&Gt.)によるアルバム全曲の制作エピソード解説とともに、新曲2曲をいち早くオンエア!
まず1曲目は、アルバムの幕開けを飾る“ムーンソング”。洋平自身も「『自分が疲れた時に聴きたい曲』から『ライブでやりたい曲』になった。1曲目に持ってきた理由も、おそらく聴いてもらえばわかると思う」と説明していたが、ピアノとアコギの清冽な響きがやがて、洋平の歌とリズムセクションの躍動感に導かれるようにロックの祝祭空間を描き出していく、雄大なナンバー。
“ワタリドリ”あたりにも通じる広がりを持つ曲ではあるが、この凜とした空気感は紛れもなく[Alexandros]最新型の輝度を感じさせるものだ。
そして、もうひとつ披露された楽曲は4曲目の“Claw”。洋平いわく、「まあ、爪(Claw)って感じですね(笑)。実は、ライブでちょっとやってんだよね。夏の終わりのフェスくらいに、“Girl A”のお尻にくっつけてやってるんです」。
ドラムンベース風のリズムトラックに獰猛なギターリフが絡み合うイントロから、4人一丸となってソリッドなロックンロールの加速度を生み出していく。“ムーンソング”が[Alexandros]の「ロマンサイド」の象徴だとすれば、“Claw”はまさに「野性サイド」の1曲と言える。
「『シン・ゴジラ』公開のニュースを聞いた日に『主題歌作りてえ!』って思って。ニュースを聞いて1分後にリフを弾いてました」と語っていた“Kaiju”、「ユニバーサルミュージックの所在地=青山一丁目の雰囲気が好きで、あの辺を歩いてる時にメロディが浮かんだ曲(笑)。歌詞は意外と辛辣なこと書いてます」という“Aoyama”……などなど、個々の楽曲の背景を(コーナー時間を延長して)たっぷり語っていたこの日のオンエアからは、[Alexandros]の音楽世界がさらに自由に、伸びやかに翼を広げていることが十分に窺えた。
「アレキサンドLOCKS!」コーナーの冒頭、洋平は次のように話していた。
「もう6枚目のアルバムになるんですけど、昔からのファンの方に『なんか、この前のアルバムと違うね』とか言われたりするわけですよ。前の『ALXD』もそうだったし、その前の『Me No Do Karate.』もそうだったし。でも、もうそろそろ『“[Alexandros]らしい”ってものはないんじゃないか?』っていうことに気づいてほしいな、っていうのはバンドとしてあるんですよね。『この人たち、路線とか、そういうのないんだ、最初っから』って。そこを知ってほしいなって」
そんな洋平の言葉の端々から、[Alexandros]の束縛なき音楽冒険精神が滲んでいたのが印象的だった。
なお、同コーナーでは来週も『EXIST!』からさらに新曲がオンエアされるとのこと。カードが1枚また1枚とオープンされればされるほど、アルバムの全貌がますます楽しみで仕方がない。(高橋智樹)