9mm×ピープル、5年ぶり2マン開催! 真逆に狂い咲く至上の音の競演を観た

9mm×ピープル、5年ぶり2マン開催! 真逆に狂い咲く至上の音の競演を観た

前回が2012年1月に赤坂BLITZで行われた「HIMEHAZIME」だから、9mm Parabellum BulletとPeople In The Boxの2マンとしては実に5年ぶりとなるこの日の対バンライブ。「旧市街のワルツ」という公演タイトルも秀逸だ。

「9mmとピープルは、狂ってる方向性が違う感じがするよね」と9mm・卓郎が盟友との久々の競演に最大限の賛辞を捧げれば、ピープル・波多野も「RPGで言うと、9mmは見るからに戦士だよね、HPと攻撃力がめっちゃ高い感じの。で、ピープルは黒魔術師っぽい(笑)」と絶妙なたとえでフロアを沸かせてみせた。

「HIMEHAZIME」はピープルが先攻だったので、今回は9mm先攻。5月発売の最新アルバム『BABEL』の曲こそやらなかったものの、滝のライブ活動休止による「HERE武田サポートの4人編成」が日々その爆発力を高めていることが、凄絶なアクトから十分に窺えた。

そしてピープル。精緻に編み上げられたアンサンブルをしなやかに体現しながら、一音ごとに謎とポップの奥深くへ引き込まれていくようなマジックを、この日のステージでも確かに繰り広げてみせた。

音楽のテイストもまるで異なるのみならず、9mmの時に狂騒感とカオスであふれ返っていた満場の観客がピープルでは静かながらも思い思いにリズムに身体を委ねて……といった具合にフロアのモードも対称的だった2組だが、バンドもオーディエンスもこの対バンを全身で謳歌していることが、O-EASTに充満する濃密な高揚感からも伝わってきて嬉しかった。

両者の本編最後には、公演タイトルにちなんで“生命のワルツ”“旧市街”をそれぞれ披露。「来年も再来年も『HIMEHAZIME』やりたいね!」とピープル・山口も言っていたし、今度はぜひ近いうちに実現してほしい。切に願う。(高橋智樹)
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