ジェフ・ミルズ×東京フィル、圧巻の新作パフォーマンスに触れた!

ジェフ・ミルズ×東京フィル、圧巻の新作パフォーマンスに触れた!

「スッキリ!!」出演など大きな話題を振りまいた今回のジェフ・ミルズ来日では、テクノとオーケストラの融合を試みる新作交響組曲『Planets』が、「爆クラ!(爆音クラシック)」主催企画として大阪と東京で披露された。

東京フィル(指揮:アンドレア・バッティストーニ)によるドビュッシーや黛敏郎の作品が披露された後、ジェフが登場。東京ゲスト=U-zhaanのタブラ演奏から始まる名チューン”The Bells”で、ジェフが言うところの「エレクトロニックなサウンドはケーブルを通して鳴るけれども、アコースティックな音には空気が介在する」という差異を、ダイナミックに越えてゆく。

そして第2部はいよいよ『Planets』だ。水・金・地・火・木・土・天・海・冥、各天体それぞれの組成など特徴を研究して音像へと変換(自転速度はBPMに反映)し、天体間の空間も表現しながら旅してゆく。ときに壮大、ときに劇的な変化を見せる東京フィルの演奏に、ジェフのサウンドの方が寄り添ってゆく場面も見られた。

神話を今に伝える舞台でありながら、現代科学の研究対象でもある、未だ多くの謎に包まれた宇宙。“Mars”にひょっこりと顔を覗かせる奇妙で有機的な息遣いや、“Jupiter”の雄大な音の風景、“Pluto”の先の果てしない広がりからも感じられたとおり、その神秘に向き合い続けるジェフは科学者のようでありながら、同時に子どものようなロマンチストでもあった。

「私にとってのオーケストラ体験は、『スター・ウォーズ』や『スター・トレック』のサウンドトラックなんです」と、身も蓋もないことを語るジェフには笑ってしまった。そうか、オーケストラは最初から「ワクワクするような未知の世界の音」だったわけだ。新作『Planets』はまさにそれである。ぜひ体験してみてほしい。オーディオ・ヴィジュアル(Blu-ray)のパッケージとCDのパッケージがそれぞれリリースされている。(小池宏和)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする