36歳でロックンロールに回帰
エレカシ初の、そして今のところ唯一のミニアルバム。外部のプロデューサーやアレンジャーの参加はなし、全曲宮本がプロデュース。この数年前からよく打ち込みを使うようになっていたがそれもゼロですべてバンドサウンド、アディショナルミュージシャンもなし、メンバー4人だけでレコーディングされている。このあとの『俺の道』と『扉』もその方式でレコーディングされているので、00年代初頭を「エレカシ、バンドサウンド回帰期」とするなら、まずこの作品でそれを試して、手応えを得て、次作以降に繋がっていった--という位置付けの作品、と言える。それ以降もエレカシは外部のアレンジャーやプロデューサーと共同作業をしたり、打ち込み等も使ったりしながら作品を作っていくわけなので、一度原点回帰的なポジションに立ち返ってみることが、当時必要だったのかもしれない、と、今になると思う。大作ではないが、ロックンロールバンド=エレファントカシマシの濃さと鋭さを改めて味わえる作品。(兵庫慎司)
収録曲:
1.DEADORALIVE
2.漂う人の性
3.クレッシェンド・デミネンド-陽気なる逃亡者たる君へ-
4.何度でも立ち上がれ
5.未来の生命体
※『ROCKIN'ON JAPAN』2016年1月号より転載
過去のレビューはエレファントカシマシのアーティストページをご確認下さい。
http://ro69.jp/artist/2218
次の更新は2017年3月15日(水)19:00です。(毎日7:00、19:00公開予定)