鎧や扇舞など日本のカルチャーにインスピレーションを受けた衣装や演出(日本語の字幕も面白かった!)、宙吊りの檻、修道女とのポールダンスなどなど見所満載とは聞いていたが、想像以上に一曲一曲の演出が凝っていて、いつどこを観たらいいか困るくらいめくるめく印象。
アルバム『レベル・ハート』も、アヴィーチーやディプロらEDM勢やカントリーなど多彩でもりもりな作品だったがまさにそんな感じ。
そして、その芯には抑圧と解放、欲望と愛というテーマがいつものようにはっきりある。
圧倒的なパフォーマンスはもちろん素晴らしかったが、個人的に感動的だったのは、赤いギターを抱えて唄った〝レベル・ハート〟。
少女時代、厳しかった父と宗教への反抗から始まったマドンナの自立=反逆が、世界中の人々を歓喜させ、鼓舞する素晴らしいアートを生み出したことを思うと深く心に沁みた。
「自分で王冠を拾い上げ、自分で被り直したの」という“リヴィング・フォー・ラヴ”の不屈さも、彼女らしくて大好きだけど。
自分が自分であるために愛をもって闘う、という凛としたメッセージは、こんな時代によりダイレクトに響く。
ライヴの詳細は、明日公開のライヴ・レポートをお楽しみに!
ちなみに写真は、ロッキング・オン12月号掲載の、NYマディソン・スクエア・ガーデンのライヴ・レポートです。(井上貴子)