次号、デヴィッド・ボウイ表紙のロッキング・オン2月号(12月29日発売)を作り終えたばかりの今、とても嬉しいニュース。
1月8日、彼の70回目にあたる誕生日にして、大回顧展『DAVID BOWI is』がついに日本上陸する日、WOWOWにて「デヴィッド・ボウイの愛した京都」と題したドキュメンタリーが放映されるのだが、その予告映像が公開された。
実はいちファンとして、ずっと知りたかったことなのだ。ボウイが京都で何をしていたのか。
アルバム『ロウ』『ヒーローズ』『ロジャー』を作っていたベルリン時代のことは、レコーディングの場でもあり、様々なエピソードが残されているが、その同じ期間、時間を見つけて彼はプライヴェートで京都を訪れていた。鋤田正義氏の写真でその断片を見ることができるが、具体的に何をしていたのかは近しい人以外は知られていない。
筆者が京都で大学生活を送っていた80年代半ばになっても、ボウイの別荘が○○にあるとか、表札にデヴィッドと書いてあった、とかいう都市伝説が飛び交っていたが、真偽はよくわからなかった。
1994年、アルバム『アースリング』のインタヴュー中、デヴィッド・ボウイが「君はデヴィッド・キットという人を知ってる?」と突然切り出し、京都大学で日本文化を教えていた人で、西洋人が多文化の思考様式に興味を持ち共感を抱くことは可能だと、自分に教えてくれた友人だったのだが、2週間前に亡くなって残念だ、と語った(インタヴューは、ロッキング・オン2016年3月号に再録)。
その話を聞いて個人的には色んなことがつながった。
異文化を取り込むことはボウイにとっては当たり前かと思っていたが、やはりそうした師の存在があったのかと思うと、人間としてのボウイを垣間見た気がした。
今回の特番でも、その辺を知ることができるのだろうか。
予告編では、実際にボウイと接したお坊さんの言葉も聞ける。
ボウイがチベット仏教に若い頃から興味があることはよく知れれているし、デビュー・アルバム収録の“シリー・ボーイ・ブルース”では、そこで修行する少年の様子が歌われていたりする。
インタヴューでも「僕は隠れブッディストかもしれないね」などと語り、死後、彼は自らの意思で火葬されたわけだが、そうした精神性がどのように育まれていったのかが知れる、とても貴重なドキュメンタリーとなりそうだ。
また、デヴィッド・ボウイを作った3人の日本人、デザイナーの山本寛斎さん、写真家の鋤田正義さん、スタイリストの高橋靖子さんが出演し、今、改めでデヴィッド・ボウイについて語っている発言も見逃せない。
放映は、1/8(日)よる8:45 [WOWOWプライム] にて。詳細はこちら。
http://www.wowow.co.jp/detail/110006/-/01
<関連番組>
・洋楽主義 #118 デヴィッド・ボウイ ~追悼~ 1/8(日)よる6:00 [WOWOWプライム]
・デヴィッド・ボウイ ジギー・スターダスト 1973 1/8(日)よる7:00 [WOWOWプライム]
(井上貴子)
ボウイは、京都で何を見つけたのか? ずっと知りたかった謎が……。ドキュメンタリー番組『デヴィッド・ボウイが愛した京都』の予告映像が公開された
2016.12.23 21:42