文 = 児島由紀子
年末のクリスマス期にマシュー・ベラミーが車の中で新曲の一部をかけるティーザー動画を公開して以来、砂漠でオアシスの水を探す旅人のような飢渇感を抱え待っていた人も多いと思うが、英国時間の1月13日(日本時間の1月14日)、ついにミューズの新曲“ウォント・スタンド・ダウン”が世界同時リリースされた。
彼らにとって新音源のオフィシャル発表は前作『シミュレーション・セオリー』(2018年)以来、実に4年ぶり。近年の彼らの作品ではあまり聴けなかった確信的なヘヴィさ、ハードさをもって鳴らされる爆音リフと爆音ドラム、そして彼ら独特の美メロ・ファルセット・コーラスが乱舞する今回の新曲には「まさにこれ! これを待ってたんだよ」「ここ数年の実験的なサウンドもそれなりに楽しめたけど、俺達にとってのミューズはやっぱりこれなんだよな」等々、早くもファンの狂喜のリプライが各SNSに殺到している。
昨年はマシューのソロ曲のコンパイル盤『クライオスリープ』がレコード・ストア・デイにリリースされたり、「ミューズがキャリア史上初めて“自分達らしいサウンド”を確立した2001年の転機作『オリジン・オブ・シンメトリー』」(←以前本誌の2万字インタビューでマシューと話した時も本人がこれを認めていた)の20周年記念リマスター盤がリイシューされたりしたが、世界中のファンが待っていたのはやっぱり「ミューズが最もミューズらしいサウンドを躊躇なく鳴らすライブ・クラシック」だった。(以下、本誌記事へ続く)
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