レジェンド:サンタナも呼応するFKJの世界とは? その豊穣な音楽的背景と時代を撃つクリエイティビティから生まれた話題の新作『ヴィンセント』が、世界に新たなポップを提示する!

レジェンド:サンタナも呼応するFKJの世界とは?  その豊穣な音楽的背景と時代を撃つクリエイティビティから生まれた話題の新作『ヴィンセント』が、世界に新たなポップを提示する! - rockin'on 2022年6月号 中面rockin'on 2022年6月号 中面

聴けば聴くほど、このアーティストの音楽的バックグラウンドの豊かさと独創性には舌を巻く思いだ。FKJこと本名ヴィンセント・フェントンの2作目となるオリジナルアルバム『ヴィンセント』が、6月10日にリリースされる。

フランス出身のプロデューサー/シンガーソングライターであるFKJは、2017年のデビューアルバム『French Kiwi Juice』(フランス人の母とニュージーランド人の父のもとに生まれ育った自身のアイデンティティを表している)によって、エレクトロニックなトラックメーカーでありながら卓越したマルチインストゥルメンタリストでもあることを証明した。

iPhoneのCMで楽曲“Tui”が注目を集め、また自身のロンドン公演にトム・ミッシュを招いたライブ動画が再生回数を伸ばすなど、その音楽表現の素晴らしさは一度触れたら逃れられないほどに魅惑的。YouTubeを通じて演奏技術を独学したというFKJの音楽は、ヒップホップやジャズ、ロックなどの音楽遺産を自由な感性でマッピングしてしまう。

昨年に日本盤化されたEP『Ylang Ylang』や、コロナ禍の疲弊した世界に届けられたデジタルアルバム『Just Piano』を経て、新たに届けられるアルバム『ヴィンセント』は、FKJがひとりのシンガーソングライターとして、これまで以上に深く自身の内面と向き合った情緒豊かな作風である。

幼い頃にヒット曲“スムーズ”をラジオで熱心に聴いていたことをカルロス・サンタナに伝えたことから生まれたコラボ曲“Greener Feat. Santana”をはじめ、あらゆるサウンドがFKJの心模様を代弁するかのように雄弁に響き渡る。そこには、膨大な情報やテクノロジーの進歩に振り回されることなく、すべてを自己表現のエレメントとして咀嚼/吸収してしまう現代的でしなやかなクリエイティビティが横たわっていた。

アルバムには他にも、ユキミ・ナガノ(リトル・ドラゴン)やトロ・イ・モア、公私にわたるパートナーの((( O )))らが参加。陶酔感溢れるメロウグルーヴはそのまま、新たなポップミュージックの在り方を提示するFKJに、注目して欲しい。(小池宏和)



FKJの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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