ゴリラズ、3年ぶりの新作でまたも豪華コラボ祭開催!

ゴリラズ、3年ぶりの新作でまたも豪華コラボ祭開催! - rockin'on 2023年3月号 中面rockin'on 2023年3月号 中面

2年前の本誌取材で、デーモン・アルバーンゴリラズに関して「とにかくやっていく感じ。いずれ『ああ、こういうことだったのか!』と意味が分かるから待っていて」と話していた。前作『ソング・マシーン:シーズン1 − ストレンジ・タイムズ』(2020年)は、オールスターキャストなハリウッド映画を思わせる実に楽しいアンソロジーだった。その第2弾が続くのか……と思っていたのだが、もうじきベールを脱ぐ3年ぶりの新作『クラッカー・アイランド』は10曲入りの王道なアルバムになりそうだ。

「連続コラボ犯」として有名なゴリラズだけに、今回もご機嫌なゲストが参加している。共同プロデュースにグレッグ・カースティン(アデルベックフー・ファイターズ等)を迎え、昨年一足先に配信されヒットしたタイトルトラックはサンダーキャットがベースをぶりぶりに弾きまくりファルセットで歌いまくる秀逸なディスコ/フュージョン曲だった。

続いて公開の“ニュー・ゴールド”はテーム・インパラのケヴィン・パーカーのドリーミィで甘い歌声とブーティー・ブラウンをフィーチャー。アルバムには女王様スティーヴィー・ニックス、前作に引き続きベックの名もクレジットされているし、かねてより明かされていたバッド・バニーとの話題のコラボも今回遂に日の目を見るらしい。フィーチャーなしの純粋なゴリラズ曲としては“Skinny Ape”も公開されていて、広がりのあるメランコリックなバラードからパンキーに疾走するミドルへの転調は痛快そのもので実に彼ららしい。

これらの情報を総合していくと、『ソング・マシーン〜』前後の諸コラボにインスパイアされて新たなアイデアが浮上し、それをテーマ的にまとめたアルバム、という印象を筆者は受ける。コンセプチュアルな大作だった『プラスティック・ビーチ』(2010年)――エコへの警鐘が基調の作品――を連想してしまうタイトルの『クラッカー・アイランド』は、ビジュアル戦略に「カルト宗教」ネタを多用しサウンドも頭がハレーションを起こすサイケデリック感が強い。これまた新たな警鐘なんでしょうか??

ともあれ、こうしてゴリラズも本格始動しつつ、この夏にはブラーも実に2015年以来となるコンサートに乗り出し、サマーソニックにも見参! 2023 年はデーモンが全開する1年になりそうです。 (坂本麻里子)



ゴリラズの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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