現在発売中のロッキング・オン10月号では、フォンテインズD.C.のインタビューを掲載! 以下、本インタビューの冒頭部分より。
「自分たちの作品を聴いて脅威を感じたのは初めてだった。
1枚目のときは『お、いいのができたじゃん』くらいのテンションだったのが、今回はクリエイティブなモンスターの大群を相手にしてるみたいな(笑)」
●『ロマンス』は過去3作と比較しても、恐らく最も大胆なアップデートが行われたアルバムですよね。
「これまで出したどのアルバムより大きな手応えを感じてるよ。一つには”イン・ザ・モダン・ワールド”を書けたってことがすごく大きくて……自分が死ぬまでに絶対に書きたいと思ってたような曲ができたから。胸の中にあったデッカいつっかえが外れたみたいな、そこから一気にワーッと何かが解放されていった感じ。
あと今回のアルバムの中にある堂々たる景色に一度自分の身を置いてみて、そこに立つ感覚を味わってみたいって気持ちがあったんだ。例えば、前回の来日のときって、ようやく初めての長期休暇に入るっていうタイミングで、日本からとりあえず一人でLAに飛んだんだよね、特に理由もなく、好きでもないのに(笑)。
そのとき自分の中にズーンと襲ってきた感情として……アメリカ大陸の西の最果てに立って、それが自分には死の世界みたいに感じられたんだ。天国の扉の前に立つみたいなさ。気怠い眠たい雰囲気とか虚構だとか、夢を抱えた人達が最終的なゴールとして集まってくる場所なわけでさ。そのときに感じたものが、確実に“イン・ザ・モダン・ワールド”を書き始めるきっかけになったんだ」
●“イン・ザ・モダン・ワールド”では《現代社会で俺は何も感じない、でも悪い気もしない》と歌い、 “ホースネス・イズ・ザ・ホワットネス”では《世界を動かす言葉を俺は“愛”だと思っていた》と歌う『ロマンス』の終着点は、悲観的? それとも楽観的な境地?
「“ホースネス・イズ・ザ・ホワットネス”に関しては、本作の中でもすごく気に入ってる曲で、サウンド的には一番明るいと思う。その一方で、歌詞は恐らく一番ダーク……。理由としては、真実の探求を放棄して、これこそが自分にとっての幸福であるという幻想みたいなものを100パーセント信じてそれに向かって努力した上で初めて手に入れられるものだって気がするから。
今回のアルバム全体が、そこで生まれる葛藤とか軋轢みたいなものを扱ってるような気がして……この現実世界に生き続けることを選ぶのか、それとも目を閉じて何かしらの価値観に従って笑って生きていくのか。“イン・ザ・モダン・ワールド”の《現代社会で俺は何も感じない、でも悪い気もしない》の構造も同じだよね。ダークだし辛辣なフレーズであることは間違いないんだけど……
(以下、本誌記事へ続く)
フォンテインズD.C.の記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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