マイ・ニュー・バンド・ビリーヴ、デビュー! カオスと静謐さの美しき共闘に浸りきる

マイ・ニュー・バンド・ビリーヴ、デビュー! カオスと静謐さの美しき共闘に浸りきる

マイ・ニュー・バンド・ビリーヴ——僕の新しいバンド、信じて。いや、信じてと言われても……という感じだが、これは2024年に活動休止を発表したブラック・ミディのベーシストだったキャメロン・ピクトンによるプロジェクトの名前である。

ブラック・ミディといえばジョーディー・グリープが驚異的なソロアルバム『ザ・ニュー・サウンド』(2024年)をリリースしたことも話題になったが、キャメロンもまた次に進んだというわけだ。奇しくも、両者ともに「ニュー」をキーワードとしている。これは新たなフェーズなのだと。

さて、そんなマイ・ニュー・バンド・ビリーヴだが、すでにシングルを2枚リリースしている。とくに今年発表された“ヌメロロジー”はまさしく新境地を宣言するように、ブラック・ミディ譲りのカオティックなエネルギーを保持しながらも、アコースティックギターの縦横無尽な演奏とオーガニックなバンドアンサンブルが4分間でクライマックスへと向かう爆発的な一曲である。名刺代わりと呼ぶには、あまりに強力だ。

ところが、4月リリースとなるデビューアルバム『マイ・ニュー・バンド・ビリーヴ』にはこれら2枚のシングルは収録されない(国内盤には“ヌメロロジー”がボーナストラックとして収録される)。アルバムとして新たに構築された内容になっているのだ。

バロックポップ風の“ターゲット・プラクティス”で優雅に始まり、複雑なギターワークがフリージャズ風のアンサンブルと絡みつつダイナミックに展開していく“イン・ザ・ブリンク・オブ・アン・アイ”、8分間の長尺で様々な音楽性を横断する“ハート・オブ・ダークネス”と、壮大な世界観が広がっていく。

全体的にアコースティックサウンドであることにこだわっており、キャメロンを中心とする人力のアンサンブルの幅と厚みで圧倒する。どこか得体のしれない巨大さを感じさせるアルバムなのだ。

キャロラインやブラック・カントリー・ニュー・ロードのメンバーも参加し、シーンの広がりを感じさせるものでもある。つまり、いまのUKインディにおける必聴の作品だということ。信じるかどうかはあなた次第……、いや、信じてほしい。(木津毅)



マイ・ニュー・バンド・ビリーヴの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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