フジロックでジェイムス・ブレイクを観る

フジロックでジェイムス・ブレイクを観る
最新作を番組で紹介するとき、サム・スミス化したと言ってファンの方から怒られてしまったが、最新作においてとても歌の深度が増したことは間違いないと思う。
もともと彼の曲は切実で重い気持ちを、どれだけエモーションの比重を変えずに他者に伝えるかを大きなテーマにしている。最新作は喪失、恋愛の終わりが主要なモチーフになっているが、その曲の主役としての歌の役割が増していくのは必然だったと思う。
そんな最新作後のステージなので、とても歌が強調されたパフォーマンスを僕は予想していた。しかし実際はそう単純な話ではなかった。
歌の深度が深まったのは確かだが、器楽的な深度も同じくらいかそれ以上に深まったステージを彼は展開したのだ。
3人編成で、これだけ複雑でスケール感のあるサウンドをライヴで鳴らすのは驚異的だ。しかも限りなく肉体的なパフォーマンスによって、音のダイナミズムを作り上げていく。凄いステージだった。
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