MONOEYESの新作『Get Up E.P.』を聴いた!

MONOEYESの新作『Get Up E.P.』を聴いた!

MONOEYESとthe HIATUSは異なるバンドだけれども、やっぱり深く関連している。細美武士が両方のギター/ボーカルであるから当たり前といえばそうなのだが、それでも最初は活動時期も姿勢も作風ももっとくっきりと分かれていた。
しかし最近はこのふたつのバンドがお互いに影響し合い、響き合っているのを感じることが多い。
the HIATUSのメンバーがMONOEYESのライブをステージ脇から真剣に見ている姿や、MONOEYESのメンバーがthe HIATUSのライブを客席から見ている姿もよく目にする。

そもそも、MONOEYESが生まれたのは、the HIATUSよりももっとフットワーク軽くライブがやれるように、というのが動機の一部だったし、最近ではthe HIATUSのメンバーが「MONOEYESみたいな曲をthe HIATUSでもやってみたい」と言って最新アルバムに収録された曲があったり、もうなんか、細美を接点とするふたつの兄弟バンドみたいになっている。
そして何より、「楽しいしかない!」というMONOEYESの解放感が、最近のthe HIATUSのライブにも乗り移っていて、結果として深さも美しさも激しさも、そして底なしの楽しさもあるthe HIATUSの最近のライブは最強になりつつあるのだ。
今度は、そんなthe HIATUSがMONOEYESに新たな影響を与えたりするのかもしれない。

前置きが長くなってしまったが、そんなMONOEYESのニューEPが2016年10月26日(水)にリリースになる。
3曲入りで、今回も全英詞。
1曲はMONOEYESとしては異色とも言えるゆったりとしたミドルのテンポで、バックビートを強調したおとなしめの跳ねのリズム。そこにメランコリックなAメロが乗って、Bメロからサビへとせつなく盛り上がっていくエモの名曲。この曲がEPのリード曲。
もう1曲はパンカビリーのリズムとフィーリング。MONOEYESとしては初で、これ、ボーカルがスコットだ! サビがグッとくる。ライブで盛り上がるのがもう目に見える。
もう1曲はファストなエイトビートで一直線に熱くサビに向かって盛り上がっていく熱血ロック。AメロもBメロもサビも、後半に出てくるDメロも聴き手にぴったりと寄り添うように素直でイノセント。いい。

3曲とも、これまでのMONOEYESのレパートリー(と言ってもまだアルバム1枚だけだが)にはなかった、新バリエーションだ。3曲とも、ライブでの盛り上がりのシーンが目に浮かぶ。「楽しい、それだけ!」というMONOEYESのキーワードにブレはない。
次号『ROCKIN'ON JAPAN』12月号で4人にインタビューします。

(『ROCKIN'ON JAPAN』11月号 SCENEより転載)
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