フジロックでのステージもとても良かったが、今回のインドアの閉じられた空間では彼女の表現の本来の力がよりはっきりと見えた。
この世界の歪みから身を守るための優しい詩とメロディー。ビートはR&B的なポジティブなものでありながらも、音像はドラムもベースも音色はふわっとローファイで、ヴォーカルもリバーブやダブリングのエフェクトで輪郭や距離感をぼかしてドリームポップ的。
これまでになかった画期的なスタイルであり、彼女が新たな存在として圧倒的な評価を受けたことを裏付ける音世界だった。
アリーナやフェスの大きなステージでこの繊細な表現がどんなふうに展開されるのかは僕の想像力を超えているが、観てみたい。(山崎洋一郎)
アーロ・パークスの恵比寿ガーデンホール公演の感想
2023.07.08 14:47