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    傑作であり偉業でもあるビヨンセのニューアルバムについて(ロッキング・オン最新号編集後記)

    傑作であり偉業でもあるビヨンセのニューアルバムについて(ロッキング・オン最新号編集後記)
    ビヨンセの最新アルバム『COWBOY CARTER』を聴き終えた瞬間に、この号の表紙巻頭をビヨンセに決めた。このアルバムは今のポップミュージックの最高峰であり、これからポップミュージックはどこに向かうのかを示す指針のような作品だからだ。闇雲なアップデートでもなければルーツ回帰でもなく、声高なメッセージでもなければ単なる高品質な消費財でもない、今この時代にアメリカの音楽が実現すべきことを実に的確に余す所なく実現したのがこのアルバムだ。

    今の時代にアメリカの音楽が実現すべきこと、とは何か。それは、アメリカが生んだ様々な音楽の有効性を再び世に問い直すことだ。アメリカが生んだ音楽のエレメンツを正しく修正し直して、今の時代の中でもう一度「正しく」機能させたらどうなるのか。それがこのアルバムだ。そんな事ができるのはビヨンセしかいない。ビヨンセだからこそ、その「正しく」の基準を信頼できる。

    そして結果として出来上がったアルバムはそんな期待をさらに超えるものだった。カントリーもフォークもゴスペルもロックンロールもこの2024年に当たり前のように正しく鳴っている。アメリカの音楽の命をビヨンセは全力で救ったのだ。(山崎洋一郎)



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