andymoriの解散について書きました。今月号JAPANの記事より

andymoriの解散について書きました。今月号JAPANの記事より

〈andymoriは、2013年6月26日に5th album「宇宙の果てはこの目の前に」を発売します。そしてその後、7月27日から始まる「andymori Tour 2013 "ALL YOU NEED IS LOVE"」や各イベントに出演した後、9月24日の日本武道館公演「andymori ラストライブ 武道館」をもちまして、約6年に渡る活動に終止符を打ち、解散することになりました。〉

このコメントがandymoriのオフィシャルHPに発表される数日前にマネージメントから事実を聞いて直後の今、強行にこのページを作り、これを書いている。そして、これを書いているたった今、彼らのニュー・アルバム『宇宙の果てはこの目の前に』の音源が届き、それを聴きながらこれを書いている。素晴らしいんだ、アルバムが。

解散の理由は今の時点でも僕は知らない。次号のニューアルバム(そしてラスト・アルバム…)インタビューでそこに関してはちゃんと訊こうと思う。たぶん小山田は、いつもと変わらない優しげで寂しげなあの目で淡々と語るのだろう。でも本当はもう解散理由などどうでもいい気がしている。〈6年間、このバンドに情熱を注いできて、やれるだけのことをやりきったという気持ちなのです。〉という小山田壮平のコメント通りなのかもしれないし、そうではないこともいろいろあったのかもしれない。でもandymoriは、終わるべくして終わった。このアルバムを聴いているとなぜかそう思えてくる。こんなにも素晴らしいのに、なぜかそう思えてくる。

1970年代からロックンロールが何度も何度も死んだ、そのあげくの2000年代の後半になって彼らは登場した。まだデビューする前に下北かどこかの(もう忘れた)ライブハウスでがむしゃらなのか冷めているのかわからない顔で演奏を終えて楽器を片付けている小山田に声をかけたら「リバティーンズのライナー書いた人ですよね?」と無邪気に言ってきたのを覚えている。70年代からロックンロールが何度も何度も死んだ挙句の2000年代の後半になって出てきた、あまりにもピュアなロックンロール・バンド、それがandymoriだった。CDを聴いた人ならわかるだろう、ライブを観た人ならわかるだろう。彼らのロックンロールは時代に合わせて品種改良されたタフな種ではなく、あまりにも繊細過ぎるピュアなロックンロールであることを。

もしかすると、解散はその純粋さゆえなのかもしれない。アルバム『宇宙の果てはこの目の前に』というタイトル、そしてそこに並んだ14曲の歌に宿った儚さ、残酷さ、救いようのない悲しみ、そしてそれゆえの美しさを聴いた今、少なくとも彼らは表現者としての一つの句読点、そしてバンドとしての終わりを表明することを唯一の純粋さの証として引き受けたのかもしれないと思える。

アルバムのラストの曲「夢見るバンドワゴン」で、小山田はこう歌っている。
〈空 いっぱいの空 騒ぎ始めるメロディー 君がそばにいてくれたこと 輝く渚 舞い上がる砂の向こうに いつも憧れを胸に抱いて〉

andymoriは解散する。でも純粋な心はまだ、不器用なまでに純粋であるようだ。
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