絶賛来日中のキング・クリムゾンだが、なんとジャッコ・ジャクスジクとメル・コリンズのインタビューに成功!
ジャッコは70年代からさまざまなユニットやサイドマン、セッションマンとして活躍してきたが、キング・クリムゾンには2013年に現在のラインナップとして初参加し、ボーカルとギターという大役を担っている。
メルは言うまでもなく、 1970年に『ポセイドンのめざめ』のレコーディングに参加し、その後正式メンバーに。ストーンズの“ミス・ユー”でサックス・ソロを演奏するなどセッションミュージシャンとして活躍し、2013年に正式メンバーとしてクリムゾンに復帰した。さすがロック・スターらしくヴェルベットのジャケットにピアス、指輪をいっぱいしていたので「見せてください」と言ったら、こんなポーズをしてくれた。
現在のキング・クリムゾンが特に2009年までのクリムゾンと決定的に違うのは、1974年の『レッド』以前の楽曲をふんだんに取り上げるようになったことで、80年代以降のクリムゾンとしては"21st Century Schizoid Man"以外の過去の名曲の数々を初めて聴けるようになったことだ。当然ながら、70年代の名曲のパフォーマンスに大きく貢献しているのがジャッコのボーカルで、生粋のイギリス人ミュージシャンであるからこそ、この時期に特徴的な叙情的なボーカル・パフォーマンスが可能になっていることはライブを目撃しているファンには明らかなはずだ。
しかし、これまで過去に遡るようなアプローチを徹底して排除してきたロバート・フリップがなぜ、このように旧作群を数多くセットに揃えるようになったのか? この辺を今回のインタビューで紐解いてもらえないかと思っていたのだが、ジャッコは現在のラインナップの前に企画されていた、コア・ファンしか知らなかった驚愕のプロジェクトを明らかにしてくれた。
実はジャッコ・ジャクスジクは旧キング・クリムゾンのメンバーらと、かつてのクリムゾン曲のカバーをライブとして届ける「21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド」にも在籍していたことがあり、2003年に来日も果たしている。このことが縁でジャッコとロバートは知己になり、13年の時点でいったん音楽活動からの引退を表明していたロバートは、自分は参加しないが活動を後方支援する形で旧クリムゾンの楽曲に特化したバンドを結成させようと思いついたというのだ。メンバーは今の顔触れのジャッコとメル・コリンズ、ギャヴィン・ハリソンのほか、今は亡きジョン・ウェットンも参加する予定になっていたのだという。その名も「クリムゾンDNA」だったとか。
しかしロバートが活動意欲を再燃させたためこの話は見送られ、今回のドラム・トリオ8人編成バンドが新たに構想され、さらに70年代以前の楽曲群も取り上げられることになったと詳しく説明してくれた。
そんなふたりの貴重なインタビューを、12月29日発売の次号ロッキング・オンでお送りする予定です!(高見展)
トニー・レヴィンの来日直前最新インタビューも、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。