2019年はラスベガスのレジデンシー公演が最高潮。 エアロスミスやレディー・ガガetc、注目の公演と見どころはこれだ!
2019.01.15 18:32
2019年、ラスベガスのレジデンシー公演に最高のラインナップが出揃った。現在のラスベガスは、洋楽ファンにとって夢の観光地と言えるだろう。アーティストが全米各地の都市を訪れるツアーとは対照的に、ラスベガスのホテル内にある劇場に一定の期間駐在し、週に数公演行なうのがレジデンシー公演だ。
40年代から続いているが、現代のレジデンシー公演の先駆者は2003年に「A New Day...」公演を始め、史上最も成功を収めているセリーヌ・ディオンだ。続いて始まったエルトン・ジョンの公演も彼女に次ぐ成功を収めたが、今では30〜40代のアーティスト達も敢えてレジデンシー公演を選ぶようになった。
その切っ掛けを作ったのが、2013年にプラネット・ハリウッド・ホテルのThe AXIS シアター(現ザッポスシアター)で始まったブリトニー・スピアーズの「Piece of Me」公演である。ブリトニーは同公演で完全にキャリアを立て直し、往年の人気を取り戻した。この公演の記録的な成功はプラネット・ハリウッドを大きく潤わせ、ひいてはラスベガス全体の活性化にも繋がり、レジデンシー公演がラスベガスの新たなトレンドとして確立することとなったのだ。
ブリトニーに次いで2017年に同シアターで公演を始めたバックストリート・ボーイズも大成功を収め、そのおかげもあってか、昨年発表された新曲“ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート”は長年ぶりに大ヒットを記録している。
そして今年からエアロスミスがレジデンシー公演の一員となったことにより、ロックファンにも見逃せない場所となった。海外でコンサートを観に行くのは色々と大変なものだが、ラスべガスでは観たい公演のホテルに宿泊すれば、部屋から一直線で会場に行ける。しかもホテル内外のあちこちに看板が掲げられていて気分が盛り上がるし、劇場に併設されたショップで公演日以外でもグッズが買える。
ブリトニーやバックストリート・ボーイズの場合は、カジノに専用のスロット台まで登場。こうした形で全く新しいコンサート体験ができるのが、レジデンシー公演なのだ。というわけで2019年、注目のレジデンシー公演をご紹介しよう。
●エアロスミス「Aerosmith- Deuces Gone Wild」
@パークシアター:計18公演
ガガと同じ会場で日程をずらして公演を行なうのが、今年結成50周年を迎えるエアロスミス。普段はアリーナでしか観られない大物達をその数分の一の規模の劇場で観られるのがレジデンシーの大きな魅力だが、ステージセットや演出はアリーナ・ツアーに匹敵する豪華なものになるとのことで、大いに期待。
●レディー・ガガ「Enigma」、「Jazz And Piano」
@パークシアター(パークMGMリゾート内):計29公演
現在最も注目を集めているのが、昨年末から始まったレディー・ガガの公演。ヒット曲を取り揃えたシアトリカルなステージの「Enigma」と、デューク・エリントン等の往年の名曲をピアノで弾き語る「Jazz And Piano」の2種類のショウを用意したところが画期的で、連泊すれば両方楽しめる。12月30日の「Enigma」公演では、客席でセリーヌ・ディオンが踊りまくっているSNS映像がニュースで出回っていた。
●グウェン・ステファニー「Just A Girl」
@ザッポスシアター:計30公演
ブリトニーが抜けた後のザッポスシアターの穴を埋めるのが、グウェン・ステファニーだ。こちらも成功間違いなしだろう。レジデンシー公演はチケットの売れ行きに応じて簡単に追加公演が出せるため、3月の終了後にも続く可能性は大。
●バックストリート・ボーイズ「Larger Than Life」
@ザッポスシアター:計18公演
バックストリート・ボーイズのレジデンシー公演は今年で3年目。今月ニュー・アルバム『DNA』を発表する彼らは、4月の公演を最後に全米アリーナ・ツアーに出る予定だ。
●セリーヌ・ディオン「Celine」
@ザ・コロシアム(シーザーズパレス・ホテル):計35公演
2011年から続いていたセリーヌの2度目のレジデンシー公演は、今年6月で終了予定。来日公演の実現がレアなディーバなので、ファンは必見だと思う。
来日の可能性が低い大物アーティストの公演としては、アンコールシアター(ウィン・ホテル)でのロビー・ウィリアムズや、ハウス・オブ・ブルースでのサンタナにも惹かれるところ。この他にもマライア・キャリー、ヴァン・モリソン、ダイアナ・ロス、ZZトップ、シカゴ、ロッド・スチュワート、ビリー・アイドル等のレジデンシー公演が決まっている。
一つ残念なのは、今年から名前を変えてパークシアターに移る予定だったブリトニー・スピアーズの公演が中止になったことだ。先日、ブリトニーは父親の看病のための無期限の活動休止を発表した。しかしブリトニーが去っても、今年始まる数々の新公演のおかげでレジデンシー公演の熱は上昇し続けるであろう。(鈴木美穂)