『ボヘミアン・ラプソディ』の爆発的ヒット、そして「現象」と呼ぶべきクイーンとフレディ・マーキュリーのリバイバル熱が未だ冷めやらぬ中、ついにクイーン+アダム・ランバートの来日公演が2020年1月に決定した!今夏の北米ツアーを皮切りにワールド・ツアーをキックオフするクイーンだが、今回のツアーはもちろん『ボ・ラブ』の大ヒットを受けてのもので、過去の「+アダム・ランバート」名義での来日公演とは比較できないほどの祝祭となることは間違いない。
『ボ・ラブ』でクイーンとフレディのファンになった大半の方々にとって、今回の来日がクイーンのライブ初体験となるんじゃないだろうか。というわけで、ここでは改めてクイーン+アダム・ランバートのライブの醍醐味、その注目ポイントをおさらいしてみよう。
アダム・ランバートの歌声に宿るフレディへの愛とリスペクト
古今東西のどんなポップ・スターであっても、フレディ・マーキュリーの代わりに歌うというプレッシャーから逃れられる人はいないはず。そんな中でアダム・ランバートの起用が大正解だったのは、彼が何よりもまずフレディに対する愛とリスペクトに溢れた人だったことだ。アダムにはフレディになりきらねば!という気負いもなければ、フレディとは異なるオリジナリティを発揮したいというエゴもない。「僕は君らと同じくらいフレディの大ファンなんだ!」と前回来日の武道館でも言っていたように、彼はかくも健やかなファン心理の持ち主だからこそ、クイーンとファン、そして天国のフレディを繋ぐ媒介としてステージのど真ん中に立ち、むせ返るようなシンパシーと興奮を循環させることができるのだ。
もちろん彼自身もオペラの歌姫ばりのファルセットを響かせるパワフルな歌唱力の持ち主であり、ゴージャスでキャンプなパフォーマンスとコスチュームで魅せる第一級のエンターテナーでもあるので、クイーンの「ショウ・マスト・ゴー・オン」精神を引き継ぐに相応しいアーティストであるのは言うまでもない。
ブライアンとロジャーの見せ場も満載、そしてフレディが蘇る!
前回の来日公演では中盤でブライアンとロジャーをメインとしたセクションが設けられていたように、今回の最新ツアーも同様の構成が予想される。ちなみにブライアン&ロジャーのコーナーは同時にフレディへのトリビュート・コーナーでもあって、武道館ではブライアンが歌う“Love Of My Life”が涙を誘い、70年代のクイーンの無邪気な映像をバックにロジャーが“輝ける日々”を歌うなど、思いっきりエモーショナルなセクションに仕上がっていた。また、“Bohemian Rhapsody”では、まさにフレディが時をこえて蘇ったような演出が期待できるはず。
全曲合唱必至! クイーン+アダム・ランバートの第4のメンバーは「あなた」です!
クイーン+アダム・ランバートのライブのもうひとつの特徴は、ファンが合唱して初めて完成する余白が敢えてステージやセットリストに残されている、超参加型のイベントであるということ。アダムは隙あらばマイクを客席に向けるし、ブライアンもロジャーも、まるで自分たちとファンの歌声を丸ごとフレディの元に届けようとするかのようなプレイなのだ。
そう、来年のクイーン+アダム・ランバートがそこに「フレディがいる」と感じられるステージを繰り広げてくれるのは間違いない。『ボ・ラブ』の爆音上映では歌い足りなかった人も、ライブ・エイド・シーンの熱狂が忘れられない人も、ぜひその瞬間に向けて今からウォーミングアップしておいてください!(粉川しの)