初来日決定! 大胆な実験精神でギター・ロックの未来を切り拓くブラック・ミディ。卓越したアンサンブルを内側から食い破るとてつもない獰猛さを体験せよ!

初来日決定! 大胆な実験精神でギター・ロックの未来を切り拓くブラック・ミディ。卓越したアンサンブルを内側から食い破るとてつもない獰猛さを体験せよ!

いまもっとも注目すべき新人バンド。音楽リスナーなら聞き飽きたであろうその文句を、しかしいまこそ一身に受けるバンドがいる。それがブラック・ミディである。サウス・ロンドンにある名門芸術学校ブリット・スクールで結成された20歳前後の4人組バンドは、ギター・ロック・バンドというありふれたスタイルから未知なるものを切り拓く野心に満ちている。

〈ラフ・トレード〉からのリリースとなったデビュー作『Schlagenheim』を一聴してわかるように、かれらの音楽は非常に多くの要素から成り立っている。ミニマルなリフやビートを組み立てて楽曲を構築していく様子から、マス・ロック的だと言われることも多いが、そうした幾何学性を破壊する瞬間が何度も訪れる。たしかにバトルスフォールズが登場したことを彷彿とさせなくもないのだが、ブラック・ミディには何か得体のしれなさがその内側で蠢いているようなのである。ハードコア、ノイズ、ポスト・パンク、ジャズ、フォークといったジャンルがミックスされているのは間違いないが、しかしそれらはいわゆる「ごった煮」ではなく理知的に配合されているようだ。ところがその発想は奇想天外で、まったく次の瞬間が読めないスリルに溢れているのである。『Schlagenheim』はジャム・セッションを基調にして約5日間で完成したそうだが、インプロビゼーションがもたらす偶発性を面白がる好奇心とそれを楽曲というフォルムに仕上げる構築力を持ち合わせているのがこのバンドだということだろう。まったく、なんて末恐ろしいんだろうと思う。


カンに所属していたダモ鈴木との共演ライブ盤が話題になっていたブラック・ミディだが、そうした先達のバンドから実験精神を大いに受け継いでいる。今年リリースした12インチには“Talking Heads”というトラックが収録されており、それは曲がトーキング・ヘッズに聞こえるという仲間内の話がそのままタイトルになったとのことだが、音の冒険に挑んだ過去のバンドの系譜に自分たちを置くという大胆な宣言でもあるだろう。カンやトーキング・ヘッズだけでなく、キング・クリムゾンザ・ポップ・グループボアダムスバットホール・サーファーズダーティー・プロジェクターズといった名前が比較に挙がるのは、何よりもそのオルタナティブな開拓精神によるものである。


そんなブラック・ミディの初来日公演が決まっているが、これは本当に見逃せないものになるだろう。ライブ映像を観ると、卓越した演奏技術を前提としながらも、しっかりと構築されたバンド・アンサンブルを内側から食い破るような烈しさと獰猛さを見出すことができる。彼らの本懐がライブにあることは、膨大なジャム・セッションを重ねてきたその成り立ちからも明らかである。まだ体験したことのない音、言い換えれば未来の音楽を目指す彼らの姿を目撃したい。(木津毅)

ブラック・ミディ、初来日JAPANツアー決定。 6月にデビュー・アルバム『Schlagenheim』をリリース
ブラック・ミディがデビュー・アルバム『Schlagenheim』を6月21日 (金) にリリースすることが発表され、併せてデビュー作を引っさげての初来日ツアーも決定した。 ブラック・ミディはロンドンを拠点に活動を開始、4人のメンバー全員が19~20歳で、アデルやエイミー・ワインハウス…
ブラック・ミディ、初来日JAPANツアー決定。 6月にデビュー・アルバム『Schlagenheim』をリリース - Photo by Anthrox Studio
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