ニュージーランドの国民的バンド=Six60、シンガロング続出の親密なるパーティー空間を作り上げた初来日ショーケース・ライブを目撃!

ニュージーランドの国民的バンド=Six60、シンガロング続出の親密なるパーティー空間を作り上げた初来日ショーケース・ライブを目撃!  - pic by Mami Hatoripic by Mami Hatori

今年2月にニュージーランド出身のロック・バンドとしては初となる5万人スタジアム・ライブを大成功に収めたSix60(シックス・シックスティ)。オセアニア地区では絶大な人気を誇る彼らの初来日ショーケース・ライブが実現した。会場となったVeats SHIBUYAは700人キャパということもあり、彼らのライブをこの規模で堪能できるのはかなりレアな出来事。当日はたくさんの外国人客も詰めかけ、ライブが終わる頃にはスペース皆無のギュウギュウ自体で大盛況を呈した。

開演時刻19時半を20分ほど過ぎた頃、マティウ・ウォルターズ(Vo/G)、ジャイ・フレーザー(G)、クリス・マック(B/Syn)、マーロン・ジャーブス(Syn/Sample)、イライ・パーウェイ(Dr)のメンバー5人が登場。冒頭からマティウがディジュリドゥに似たマオリの伝統楽器(=Pukaea)を吹き、ショウの開始を告げた後に“Never Enough”〜“Please Don't Go”で本編スタート。11月8日に発売される彼らの3rdアルバム『SIX60』(*輸入盤、国内盤も発売予定あり)から新曲をいきなり2曲披露し、歌とメロディにフォーカスを絞ったシンプルな曲調はライブでも一段と映えていた。それから曲が進むにつれ、観客が歌う場面も増え始めると、場内は温かいムードに包まれていく。


中盤、マティウがウクレレ弾き語りで数曲を披露、彼のR&Bテイストの強いソウルフルな歌声にはうっとり聴き入ってしまった。後半も“Long Gone”、“Raining”、“Sundown”、“The Greatest”と新曲を惜しげもなくプレイする一方で、NZミュージック・アワードで3つの賞を獲得した彼らの代表曲“Don't Forget Your Roots”ではラグビー・チーム「オールブラックス」が試合前にやることでもよく知られている伝統舞踊ハカのフレーズを織り込み、観客の大合唱を巻き起こす。また、“Rivers”においてはクリスが自身のベースをひっくり返し、ドラム・スティックでパーカッション代わりに使用する様にも少なからず驚いた。その自由な発想も雄大な曲調と見事にマッチしていた。

そして、明るくてノリのいい人気曲“White Lines”が始まるや、フロアには肩車された女性客がみるみると出没し、シンガロングの嵐が吹き荒れる大フィーバーぶり。1時間強の本編を経て、アンコールでは“Finest Wine”まで飛び出して終了。すると、おそらくマオリの血を引くニュージーランド人だろうか、メンバーに向けてハカ(※ここではリスペクトの意味を込めて)を披露するサプライズもあり、これにはビックリしたというか、思わず感動してしまった。

Six60の音楽性はロック、ポップス、レゲエ、スカ、R&Bなど多彩なジャンルを包括しながら、親しみやすく、つい口ずさみたくなる良質のポップ・ソングに昇華しているところが最大の魅力と言える。けれど、マオリの伝統楽器やハカのフレーズを持ち込み、自身のルーツも決して忘れない。そうした姿勢がニュージーランド人だけではなく、多くの人たちに愛される理由なのだろう。なお、Six60のインタビューは12月7日発売予定の『rockin'on』2020年1月号に掲載予定なので、是非そちらも読んでもらいたい。メンバーの飾らない人柄や好きな音楽など、多方面からいろいろと話を訊いているのでお楽しみに!(荒金良介)

<Set List>
Never Enough
Please Don't Go
Vibes
Only to Be
Don't Give It Up
Cover/Mothers Eyes/Up There
Special
Rivers
Long Gone
Don’t Forget Your Roots
Raining
Closer
White Lines
Sundown
Forever
The Greatest
[encore]
Finest wine
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