活況が続くUKインディシーンのなかでも、その登場時、ひときわ個性的なグループとして熱い注目を集めたキャロライン。そのファーストアルバム『キャロライン』(22年)は、多人数によるアンサンブルをもって、ゆったりと静/動のコントラストを壮大に描きだすものだった。
フォークやスロウコアに加えてエモが重要な要素として入っている彼らの音楽は、その名の通り、言葉では説明できない感情の奔流を解き放っていたのだ。いったいキャロラインとは何者なのか……彼らのどこかミステリアスなムードは底知れなさも感じられ、多くのリスナーに大いなる期待を抱かせたのだった。
そして前作から約3年、キャロラインのセカンドアルバムが到着した。その名も『キャロライン 2』。その名の通り、前作からの真っ当な進化系でありながら、現在は8人体制として確立したバンドの飛躍が刻まれた作品になっている。そこでは複雑さと簡潔さがせめぎ合いつつ共存し、そして、さらにスケールの大きなエモーションが湧きあがってくる。
そんな、めざましい進化を遂げたキャロラインにおこなったインタビューがロッキング・オン7月号に掲載される。前作の成功、グループの現在のあり方、ゲスト参加したキャロライン・ポラチェックのこと、そして「エモ」について。静かな凄みを湛えた彼らの、核心に迫ったものになっていると思う。9月の開催がアナウンスされた初の来日公演と併せて、ぜひ注目してほしい。(木津毅)
キャロラインの記事が掲載されるロッキング・オン7月号