2人となった新生バトルス、無二のバンド力学がさらなる進化を遂げた圧巻の来日ライブを観た!

2人となった新生バトルス、無二のバンド力学がさらなる進化を遂げた圧巻の来日ライブを観た!

毎度その圧倒的な演奏力と構築力で、観る者を熱狂させているバトルスのライブ。その人気ぶりはすさまじく、今回の来日ツアーはなんと東名阪すべてソールド・アウト。とはいえ今回は前回までと異なり、イアン・ウィリアムスとジョン・ステニアーの2人編成となっている。複雑な構成とポップなフックを兼ね備えた新作『ジュース・B・クリプツ』を引っ提げ、どのような新しい姿を見せてくれるのか。大阪公演に足を運んだ。

フロントアクトと呼ぶにはあまりにも贅沢な、今年のフジロックでのステージも伝説になっている平沢進+会人(EJIN)がまずは現れる。レーザーハープを駆使した見た目にもインパクト大なパフォーマンスだが、生ドラムによるビートがとにかく強力で、思い切りダンサブルなステージが展開された。予想以上にフィジカルな音に驚いた人も多かったのではないだろうか。そして平沢の奇妙なボーカルと、スタイリッシュな立ち振る舞いに釘づけとなる。実験とポップの両立、そして肉体性。スタイルはまったく異なるものの、たしかにバトルスの音楽と共通する感覚を有したライブだった。

そしてシンバルの位置が異様に高いドラム・セットが置かれると、いよいよバトルスだ。イアンとジョンが現れ、“Fort Greene Park”のシンセ・サウンドがゆっくり立ち上がる。そして、そこにめちゃくちゃタイトで強い打音のドラムが入ってくれば、幾何学的に緻密な構築とダイレクトに身体に響くパワフルさを兼ね備えたバトルスのライブの始まりだ。いったい2人でどうやって演奏するのだろうと思っていたが、基本的にはイアンが上モノをループさせ、ジョンが遠慮なくドラムを叩きまくるという明確な役割分担。ジョンがリズム・マシーンを稼働させる場面もあり、役割が増えている側面もあったが、よりミニマルな編成となったことでバトルスという無二のバンドの力学がクリアに伝わってくるものとなった。


そのことが端的に現れていたのが、新作からの“Titanium 2 Step”だ。ボイス・サンプルも含めて楽曲を構成する一部として組み立てられていくのはこれまでと同様だが、ビートはほぼジョンによるドラムのリズムが担っているために、よりシンプルにダンサブルな演奏となっているのである。物凄い形相で高い位置からスティックを叩きつけるジョンの姿を僕は毎回セクシーだと思うのだけど、彼の生み出すリズムがバトルスの色気になっていることは間違いない。

新作からのナンバーを中心として、ほとんど休みなく強力な演奏を畳みかけていく。そこに“Ice Cream”や“Atlas”といった過去作からのキラー・チューンが挟まれると当然オーディエンスは沸き立つのだが、それらは確実に新しい姿へと変身していた。紛れもなく新生バトルスのものとして鳴らされていた。2人になっても彼らの個性は揺るぎなく、しかしよりダイナミックに進化を遂げていたのである。(木津毅)
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