日本時間1月30日(日)に行われたザ・スマイルのストリーミング・ライブは合計3セットの構成。
自分は朝10時の初回を観たのだが、これがもう本当に素晴らしかった。
まずセットリストは以下の通り。
●setlist
1.Pana-vision
2.The Smoke
3.Speech Bubbles
4.Thin Thing
5.Open The Floodgates
6.Free In The Knowledge
7.A Hairdryer
8.Waving A White Flag
9.We Don’t Know What Tomorrow Brings
10.Skrting On The Surface
11.The Same
12.The Opposite
13.You Will Never Work In Television Again
Encore: Just Eyes And Mouth
※2回目と3回目のセットではアンコール2曲目にジョー・ジャクソンのカバー“It’s Different for Girls"を披露したようだ。
会場はMagazine Londonで、センターステージを360度オーディエンスが取り囲んでいる。LEDタワーの世界観はレディオヘッドとも共通するが、客と演者の圧倒的な距離の近さはこのプロジェクトならではだろう。
上記セトリ曲は、昨年5月のグラストンベリー配信でプレイした曲もあれば、初披露の曲もあり、そして以前トムのソロでやった曲もあったりと、どこからどこまでがスマイル名義の曲かファジーな部分もあるのだが、そういう些末なことがどうでもよくなるほど、バンドとオーディエンスのテンションは終始高かった。ベースをブンブン弾きまくるトム、片手でキーボードを弾き、もう片方でハープを奏でる超人ジョニー、そして超テクニカルな変則ドラムをさも当たり前のように涼しい顔で叩くトム・スキナーの3人は、もうすでに「出来上がっている」という印象。
トムとジョニーが始める新バンドの名前が”The Smile”だと聞いたとき、真っ先に思い浮かべたのはアイロニカルでシニカルなイメージだったし、サウンドの骨格もどちらかといえば実験的で難解なものを想像していたのだが、グラスト配信と今回のストリーミング配信でその先入観は180度覆された。
トム・ヨークは本気でロックをやろうとしている。
このフィジカルなバンドサウンドを本気で謳歌し、本気で笑おうとしている。
2/7発売の次号ロッキング・オンでは、そんなThe Smilleを坂本麻里子さんの長文テキストで多角的に分析しているので
ぜひ読んでみてください。
(徳山弘基)
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