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モトリー・クルーとデフ・レパードの共闘体制によるスタジアムツアーが全米各地で熱狂を呼んでいた2022年の夏、「これは海外まで行かないと観られないんだろうな」と諦めていた読者は少なくないはずだ。
しかし2023年11月、両者の共演による二夜限りの日本公演が実現。しかも会場は開業からまだ間もないKアリーナ横浜。この夢のような出来事に興奮したのはファンばかりではなく、両バンドにとっても同じことだったようで、モトリー・クルーのトミー・リーは公演の2週間も前に来日して趣味の盆栽をはじめとする日本文化を満喫し、デフ・レパードのジョー・エリオットも西新宿界隈で“いつものお買い物”を楽しんでいた模様だ。
しかし、そんなことはさておき、とにかくライブが素晴らしかった。双方が90分間に凝縮された出し惜しみのないステージを披露し、それぞれの不変の部分のみならず、いまなお進化／深化を続けている部分をも見せつけ、さらには双方にとっての美学に則った「年の取り方」がその場で提示されていたように思う。ひとつ余計なことを言えば、モトリーの新ギタリストに迎えられたジョン５以外の全出演者がいまや60代に突入しているという現実もあるわけだが、重要なのはこの世代にもまだまだ未来があり、その答えは単純な意味での成熟ばかりではないということだろう。両バンドと同世代にあたる筆者がそれを実感させられた画期的公演について、1月号ではキッチリとレポートさせていただく。（増田勇一）
モトリー・クルーとデフ・レパードのライブレポートが掲載されるロッキング・オン1月号
