『Secret Garden』=「女性の子宮」をイメージした今作。2年半ぶりのアルバムだが、思えばレコード会社を移籍して新たなスタッフとの化学反応も楽しみつつオルタナティヴなサウンドでエネルギーを外側へと放った前作『Cocoon』とは真逆のモードと言ってもいい。今作は全作詞作曲からサウンド・プロデュースまで本人が手がけ、Charaのインナーワールドが高純度でパッケージされた。
自身が奏でる鍵盤の音色が柔らかくて甘い印象を残す“スーパーセンチメンタル”や、ゴスペル調で神聖なムードの “恋は目を閉じて”や、シンプルなバンドのグルーヴの中でガーリーな魅力が際立つ“ラッキーガール”など、気分によって服を着替えるかのように曲調はカラフルだけれど、Chara文学の最高峰とも呼ぶべき感度の高い言葉たちで紡がれたのは、穏やかで温かい愛の歌ばかりだ。《何かについて行くとしたら/私は愛について行くよ》と歌う“せつなくてごめんね”など、今も愛を求め愛と共に生きるCharaのキラーフレーズも炸裂しまくり。デビュー24周年、私たちはまだまだCharaについて行くよ。(上野三樹)
純粋と神秘。Chara文学の極み
Chara『Secret Garden』
2015年03月04日発売
2015年03月04日発売
ALBUM