まことに天晴な帰還作

ザ・ゴー!チーム『ザ・シーン・ビトウィーン』
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ALBUM
ザ・ゴー!チーム ザ・シーン・ビトウィーン
11年の『ローリング・ブラックアウツ』以降、各メンバーがソロやプロジェクト等(※ももクロの“労働讃歌”の作曲も)に勤しむ状態が続いたザ・ゴー!チーム。本作はじつに4年ぶりとなるアルバムで、これは文字通り彼らの“帰還”にふさわしい内容といえるだろう。本作に寄せてバンド創設者のイアンは「メロディとソングライティングによって動かされるアルバムを作りたかった」と語っているが、その言葉に偽りなし。醍醐味のカートゥーニッシュなパーティ感は損なわれることなく、カラフルなサンプル使いを見せながら、屈託なく全開にされたオールド・ポップ趣味が全編に際立つ。50~60年代にNYのブリル・ビルディングが量産した良質なポップ・ソングやロックンロールが参考にされたらしく、楽曲のキャッチーさやフックの切れ味はこれまでのアルバムの中でも随一かも。炭酸ジュースの開栓音で始まるM1を合図に堰を切る、まるで鼻歌から魔法が生まれるような瞬間の連続。加えて、ブラジルやアフリカ、中国など多国籍なヴォーカリストを曲ごとに迎えているのも楽しい。これは今年の夏フェスに彼らを呼ばない手はないだろう。(天井潤之介)
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