『ヨシー・ファンクJr.』に続くカヴァーアルバム第2弾。プロレスラーの名前をもじった前作から一転、今回のモチーフはもちろんオジー・オズボーンである。その変化は青年期の吉井和哉にインパクトを与えた楽曲をカヴァーするという今回のコンセプトともつながっている。つまりここで初めて吉井和哉はハードロックやヘヴィメタルと出会うのだ。

サブラベルズやACTION!といったジャパメタはもとより、森田公一とトップギャランの“青春時代”もハードロックアレンジになっていたり、レイジー“赤頭巾ちゃん御用心”のカヴァーがあったり、一方では久保田早紀“異邦人”や松山千春“長い夜”のようなニューミュージックも歌い（特に“長い夜”はしびれる）、さらに前作に続き美空ひばりの楽曲も収録している（“リンゴ追分”）。それにしても、シリーズ化することは予想できたが、なぜこんなにもハイペースなのか。楽しいからというのは当然あるとしても、こうやって自分の半生を音楽で生き直すということに、明らかに吉井は重要な意味を見出している。だからこうして「生き急ぐ」のだ。次はいつかな。（小川智宏）