「変わってない」フジファブリック
フジファブリック『Hello!! BOYS & GIRLS HALL TOUR 2015 at 日比谷野音』
2016年02月17日発売
DVD
2015年秋から行われた全国5公演のホールツアー(加藤慎一の故郷・金沢含む)、その初日となった日比谷野音公演の映像作品。サポートに名越由貴夫(G)とBOBO(Dr)を迎えた5ピースのフジファブリックで、日比谷野音ワンマンは9年ぶりである(2006年の同会場公演も映像化されている)。9年前にも演奏された“サボテンレコード”で「懐かしいね」と感慨を漏らしたり、一方で“キノウ”〜“robologue”の流れでは近作のフジ流シティポップといった趣の豊かなアンサンブルを届けてくる。“ALONE ALONE ALONE”を皮切りに“モノノケハカランダ”、“打上げ花火”と続くヒートアップの一幕も圧巻で、『BOYS』『GIRLS』のナンバーが鍵を握るステージ運びも見事。最も驚かされたのは、山内総一郎が9年ぶりの野音に触れて、何でもないことのように「フジファブリックはあまり変わってない」と告げることである。周知のとおり、その間に彼らほど大きく変わった/変わらざるを得なかったバンドはいない。ただ、創作姿勢とクオリティの高さ、そして「フジファブリックらしさ」を一貫させてきた努力に、頭が下がる。(小池宏和)
2016.02.16 08:30