グッド・メロディの奥行きは本物

DMA'S『ヒルズ・エンド』
発売中
ALBUM
DMA'S ヒルズ・エンド
本家不在の空席に、まんまと収まろうとしているシドニー発のオアシス・チルドレン。いよいよデビュー・アルバムの登場である。本人達はオアシスやローゼズからの影響も公言しており、時にはアディダスのジャージを着込んでステージに立つほどの入れ込みようだが、楽曲群からはそれほどモノマネっぽさは感じられない。煌めくようなギターのリフレインは確かにローゼズ譲りなところもあるけれど、芯の強いメロディを練り上げることによってスピリットを継承する、そんな実直なバンドだ。

DMA'S本体はトミー(Vo)、ジョニー(G)、マット(G)の3人組で、ライヴではサポート・メンバーを迎えた6ピース・バンドとなる。“トゥー・スーン”のように深いディストーションに包まれたロックや、既発シングル“レイ・ダウン”のようにアッパーなナンバーもあるが、“ソー・ウィー・ノウ”のようなバラード曲こそ、彼らのソングライティングの根幹にあるものなのかも知れない。メロディがぐいぐいと展開してゆく“ステップ・アップ・ザ・モーフィン”に、彼らの個性的な魅力を見た。レトロ感覚よりも聴き応えの大きさが勝る一枚だ。(小池宏和)
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