ドラマ『ゆとりですがなにか』主題歌として《忘れた訳じゃないだろ いつまでそこで寝てんだよ/「あんたの正義は一体なんだ?」》と日曜の夜を熱く震わせている“拝啓、いつかの君へ”のみならず、《ねぇ、自分自身を驚かせてみせな》(“会心劇未来”)、《君は君のままで、爆音で示せよ》(“Hip You”)と蒼き衝動をアグレッシブに突き上げまくってくる、感覚ピエロの2ndミニアルバム。横山直弘の歌とファンキーかつエモーショナルなサウンドを通して体現される彼らの、笑わば笑えと言わんばかりに世界に向けて全力で開き直ってみせるアティテュードには同時に、ロックンロールは世界と対峙する表現であるという悲しいくらいの覚悟が備わっていて、思わず胸が熱くなる。《世界を背に 君に恋した》(“雨ノチ、雨上ガリ”)、《夜にしかその花を咲かせない君だから/僕はただ朝の来ない世界を探している》(“夜香花”)……身も心もロックンロールにどっぷり冒されながら《Doubt your ROCKSTAR.》(“Tonight Yeah!Yeah!Yeah!”)と歌ってみせる業の深い構図が、新たなロックスター像を期待させてやまない快盤。(高橋智樹)