近年は、ピアノやストリングスの叙情的な響きと併せて、エクスペリメンタルでアヴァンギャルドなサウンドの要素が、活動初期とはまた違う感触で前に出てきていたと感じられたが、今作ではそれらが静謐さを保ったままミニマルに凝縮され、時に語りにも近いニックの声とともに恐ろしく印象深い音像を生み出している。決して気楽に聴けるタイプの作品ではないが、いったん入り込んだら魂の奥底まで引き込まれてしまいそうなアルバムだ。(鈴木喜之)
絶賛する前に絶句
ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ『スケルトン・ツリー』
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ALBUM
近年は、ピアノやストリングスの叙情的な響きと併せて、エクスペリメンタルでアヴァンギャルドなサウンドの要素が、活動初期とはまた違う感触で前に出てきていたと感じられたが、今作ではそれらが静謐さを保ったままミニマルに凝縮され、時に語りにも近いニックの声とともに恐ろしく印象深い音像を生み出している。決して気楽に聴けるタイプの作品ではないが、いったん入り込んだら魂の奥底まで引き込まれてしまいそうなアルバムだ。(鈴木喜之)