新章を告げる音

サカナクション『セントレイ』
2008年12月10日発売
SINGLE
サカナクション セントレイ
とにかくキラキラ! 間違いなく踊れる。バンド初のシングルで、サカナクションの景色が変わった。「妄想」と「現実」、「空」と「大地」――あらゆる「狭間」の、浮遊した世界を描いてきたサカナクションが、“セントレイ”では、「1000(セン)と0(レイ)」=「宇宙と自分」と、その「狭間」が繋がっていく軌跡を描いている。ここまでまばゆいほどの光を纏ったサカナクションははじめてだ。高速のBPMのせいだけではない。感電しそうな勢いで身体を貫く高音シンセ、疾走するギター、グルーヴィーなベース、胸を打つ四つ打ちのドラム――無限に限りなく近い有限の空間を埋め尽くす、強度を増した出音は、バンドの勢いをそのまま示しているようだし、音粒ひとつひとつに自信が漲っている。だからこそ、“Ame(A)”“もどかしい日々”のような平熱のダンスビートも、フレッシュに響くのだろう。妄想がはびこる都会の夜に響く、≪汚れた机を僕は夜に片付けた 何かが変わるかな 背中を片手で掻いて軽く溜め息した そろそろ行こうかな≫(“セントレイ”)という、新章の幕開けを告げる音。本格覚醒の日も近い。(岡崎咲子)
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