常に携帯したくなる12曲

宇宙まお『ベッド・シッティング・ルーム』
発売中
ALBUM
宇宙まお ベッド・シッティング・ルーム
渋谷のライブハウスで偶然遭遇し(クリープハイプなどを観に行ったらオープニングで出ていた。2010年10月のことです)、「なんでこの人はボーカルじゃなくてギターなんだ?」と、まず混乱した。そしたらバンドが解散して宇宙まおという名前になってソロでデビューしたが、今度は「こんなにいい曲だしポップなのに、なんでどかーんとブレイクしないんだ?」と、混乱し続けることになる。あ、本人がじゃなくて、私がです。

ただし、それ以降、いろんなプロデューサーと組んだり、いろんなメンバーとライブをやったり、音の面でも作詞作曲の面でもいろんな可能性を試したりしてきた人だが、軸は全然変わってないんじゃないか。と、このニューアルバムを聴いて思った。これまででもっともポップで、もっとも聴きやすくて、おそらくもっとも作家として歌で物語を描くことに徹した作品なのに、とても色濃くかつリアルに宇宙まおのままだからだ、この12曲は。淡々と歌うことで、逆に伝わってくるものが無尽蔵に深くなっているタイトル曲が、特に素晴らしい。とても可能性を感じるアルバム。(兵庫慎司)
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